[P8-3] 尺骨神経の運動神経伝導検査における超音波検査装置を用いた記録電極の位置決定の検討
【目的】本研究の目的は,運動神経伝導検査(MCS)における記録電極の位置決定に超音波検査装置(US)が有用であるか検討することである.【方法】健常ボランティア10名20手を対象とした.対象神経は尺骨神経とし,導出筋は小指外転筋(ADM)とした.記録電極の位置決定はADMに力を入れて筋腹を確認し決定する方法を従来法とし,またUSの短軸像にてADMが最大断面積の部位で決定する方法をUS法とした.従来法とUS法のそれぞれの位置でMCSの潜時と振幅を計測し比較検討した.【結果】従来法の潜時の平均値は2.7 ± 0.2 ms,振幅の平均値は12.6 ± 2.5 mVであった.US法の潜時の平均値は2.7 ± 0.2 ms,振幅の平均値は12.2 ± 1.5 mVであった.潜時,振幅とも両方法間に有意な差を認めなかった.【結論】従来法とUS法では有意な差は無いが,筋力低下によって従来法での導出筋の確認が困難な場合では,USを使用した記録電極の位置決定が有用であると考えられた.