50th Memorial Annual Meeting of Japanese Society of Clinical Neurophysiology (JSCN)

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 神経伝導検査・誘発筋電図

[P8-7] 特発性前骨間神経麻痺に対する神経伝導検査の有用性

信田進吾 (東北労災病院 整形外科)

【目的】特発性前骨間神経(AIN)麻痺26例に対して方形回内筋(PQ)と長母指屈筋(FPL)より複合筋活動電位(CMAP)を導出し、その有用性を検討した。【方法】肘部で正中神経を刺激して表面電極でPQ-CMAPとFPL-CMAPを導出し、潜時と振幅の対側差を計測した。健常例から得た対側差の正常値をもとに潜時延長と振幅低下を判定した。24例は保存的に経過観察、2例に神経剥離術を行い経過観察期間は平均15カ月である。【結果】PQ-CMAPは24例・92%、FPL-CMAPは20例・77%に異常を認め、PQ-CMAPの振幅はPQ筋力低下群がPQ筋力正常群と比べて有意に低下していた。治療結果は麻痺の完治12例、改善13例、不変1例であった。【結論】PQ-およびFPL-CMAPの分析により本症の客観的確定診断が可能であった。PQ-CMAPの振幅低下、発症から麻痺の回復徴候までの期間(平均7カ月)からAIN麻痺の病態は肘の中枢部での軸索変性と推測された。