[P9-10] 多系統萎縮症における迷走神経断面積と自律神経障害の関連について
【背景】パーキンソン病は迷走神経核にαシヌクレインが蓄積し迷走神経断面積が縮小するとされるが、多系統萎縮症における報告はない。【方法】多系統萎縮症および健常コントロールにおいて、臥位で頚部超音波にて左右の迷走神経断面積を最大部と分岐部にてそれぞれ3回計測し平均値を評価し、各種臨床スコアとの関連を分析した。【結果】多系統萎縮症21人において迷走神経断面積は、年齢や疾患期間、重症度、心電図CVR-Rやティルト試験における血圧低下とは相関がなかった。左迷走神経最大断面積は、SCOPA-AUTのurinary dysfunctionサブスコアと有意な相関を認めた。コントロール14人との比較では迷走神経断面積の有意差はなかった。【結論】現時点では迷走神経断面積は自律神経症状との相関は明確ではないが、今後、多系統萎縮症において自律神経障害の重要な指標として迷走神経断面積計測の有用性を確立すべく、症例数を蓄積していくことが必要と考えた。