[P9-5] 神経超音波を用いたアミロイドポリニューロパチーおよび慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチーの神経束評価
【目的】アミロイドポリニューロパチー(AP)は慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(CIDP)との鑑別が容易ではなく,有効な診断ツールの確立が望まれる.我々は神経超音波を用い,両疾患における神経束の特徴を評価し報告する.【方法】AP患者4名,CIDP患者10名,健常対照者(HC)10名をエントリーした.神経超音波を用い上腕部で正中神経または尺骨神経の短軸像を記録し,トレース法で神経束断面積を測定した.平均神経束断面積および神経束断面積の変動係数を算出し,3群で比較した.【結果】平均神経束断面積はAP群とCIDP群ともにHC群より有意に大きかった.神経束断面積の変動係数はAP群がCIDP群よりも有意に小さかった( AP群とHC群間で有意差なし).【結論】神経超音波で描出される平均神経束断面積はAP患者,CIDP患者ともに大きく,神経束毎の断面積差はAP患者ではCIDP患者と比較し小さかった.これらの特徴が両者の鑑別診断の一助になる可能性がある.