[SS1-2] 下肢一次運動野に対するTheta Burst Stimulationによる脊髄可塑性の誘導
脊髄介在ニューロンは,運動調節に重要な役割を持っている.一方で,中枢神経疾患などにより脳興奮性が変化することで,脊髄介在ニューロンの活動異常を認めることがある.従来,この脊髄介在ニューロンの活動と皮質興奮性の変化には関係があることが示唆されていたが,その詳細は不明であった.我々は,脊髄介在ニューロンの活動と脳興奮性変化との関係を明らかにすることを目的に,脳興奮性を高めるintermittent theta burst stimulation(iTBS)を下肢一次運動野に適用し,末梢神経へのpatterned electrical stimulation(PES)の前後における脊髄シナプス可塑性の変化を検討した(Yamaguchi et al., 2018).その結果,脊髄可塑性には,PES前のiTBSによる脳興奮性の増加が重要であった.また,脊髄可塑性の増強と脳興奮性変化には関連があることが示唆された.