第96回日本産業衛生学会

セッション情報

シンポジウム

シンポジウム 8 オフィスの快適性とコミュニケーションの活性化

2023年5月10日(水) 13:30 〜 15:30 第5会場 (ライトキューブ宇都宮 2F 大会議室202)

座長: 東川 麻子((株)OHコンシェルジュ), 松浦 真澄(東京理科大学教養教育研究院)

【医(専)、看】

コロナ禍で多くの企業は十分な準備がないまま、リモートワークを導入するに至ったが、その後、ワークライフバランスの改善、通勤時間の削減など、その利便性もあって、リモートワークを継続しているケースも多く、大きな働き方の変革といえよう。

このような環境の変化は通常、導入前に十分にその問題点を検証するべきであるが、コロナ禍のリモートワーク導入は半ば強制的であり、そのプロセスを踏めていない職場が多いだろう。そして今、ポストコロナの働き方として、リモートワークを継続するか、出勤を前提とした元の働き方に戻すのか、各企業の対応は分かれはじめているが、リモートワークについて後追いの検証もなく、コロナが落ち着いてきたからと単純に元通りの働き方に戻すケースもあり、利便性を感じていた従業員から不満の声が聞かれることが増えている。

まだ、どの事業場も理想的なリモートワークの形の正解を持ち合わせておらず、我々はトライ&エラーを繰り返し、理想的な形を導きだしていく過程にいる。その良し悪しの結論を出すには時期尚早であろう。

そこで、今回このシンポジウムでは、オフィス環境にフォーカスし、リモートワーク導入におけるコミュニケーション上の課題とその対策について議論したい。問題解決のヒントとして、「オフィス」の在り方というハード面と、そこで働く人へのアプローチというソフト面にわけて検討する。

リモートワークは単純に普段どこで仕事をするかの問題ではなく、働き方が変わることで「オフィス」の役割、「組織」に何を求めるのか、さらには「働く」とはどういうことなのか、と広い視点で考えてみたい。