セッション情報
メインシンポジウム
メインシンポジウム 2 治療と仕事の両立支援のためのコミュニケーション
2023年5月11日(木) 09:00 〜 11:00 第1会場 (ライトキューブ宇都宮 1F 大ホール東)
座長: 江口 尚(産業医科大学産業生態科学研究所), 須賀 万智(東京慈恵会医科大学環境保健医学講座)
【医(専)、看】
疾病を抱える労働者の健康確保と就労継続(治療と仕事の両立)は、人口の減少と高齢化が進む中で喫緊の課題である。働き方改革実行計画の重要課題のひとつに掲げられると共に、厚生労働省のガイドラインの公表、第13次労働災害防止計画の策定を受けて、関係各機関で体制整備が進められてきた。
「事業場における治療と仕事の両立支援のガイドライン」によれば、治療が必要な労働者に対して就業上の措置と治療に対する配慮を適切に行うために、事業者は主治医からの情報収集(労働者から主治医に勤務情報を提供し、主治医に就業継続の可否等に関する意見書をもらう)、産業医等の意見聴取(事業者から産業医に主治医意見書を提供し,産業医に就業上の措置等に関する意見をもらう)を行ったうえで、就業上の措置等を検討、両立支援または職場復帰支援プランを作成、就業上の措置と治療に対する配慮を実行する。このとき、両立支援の実施検討は、主治医からの助言などに基づき、支援が必要と判断した労働者本人から支援を求める申出がなされたことを端緒に取り組むことを基本としている。
ガイドライン策定から7年が経過し、両立支援のための制度・仕組が整えられてきた。しかし残念ながら、本制度の一般の認知度は今なお低く、支援が必要な労働者に期待どおり支援を届けられているとは言いがたい状況にある。両立支援は、労働者を中心に、関係者が情報を相互に共有し、共通理解の下で一丸となって取り組む必要があり、関係者間のコミュニケーションが極めて重要である。労災疾病臨床研究(江口班)は、両立支援の合意形成プロセス、すなわち関係者間のコミュニケーションを円滑に進めるための方策をさまざま検討してきた。本シンポジウムでは、「コミュニケーション」に焦点を当て、各者間の連携・コミュニケーションにおける課題と解決策について、江口班の研究成果を中心に、それぞれの演者から発表いただく予定である。
梶木 繁之1,4、伊藤 直人2、梅田 絵里子3、江口 尚4、大崎 陽平5、垣本 啓介6、加耒 佐和子7、木村 登哉4、平岡 晃8、古屋 佑子9、内堀 愛恵10 (1.株式会社産業保健コンサルティング アルク、2.株式会社小松製作所、3.株式会社東芝、4.産業医科大学、5.ヘルスデザイン株式会社、6.日本アイ・ビー・エム株式会社、7.国立がん研究センター中央病院、8.Your Doctor、9.東海大学、10.慶応義塾大学)
武藤 剛1 (1.北里大学医学部衛生学/北里大学病院トータルサポートセンター総合診療科)
山内 貴史1 (1.東京慈恵会医科大学環境保健医学講座)
森永 雄太1 (1.武蔵大学)
島崎 崇史1 (1.東京慈恵会医科大学医学部環境保健医学講座)