宮本 俊明1,2 (1.日本製鉄株式会社東日本製鉄所, 2.産業医部会長)
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シンポジウム
シンポジウム 17 産業医部会シンポジウム
Sat. May 25, 2024 9:00 AM - 11:00 AM 第1会場 (広島国際会議場 B1F フェニックスホール)
座長: 真鍋 憲幸(三菱ケミカルグループ株式会社), 山野 優子(昭和大学医学部衛生学公衆衛生学教室)
三菱ケミカル株式会社 真鍋 憲幸|昭和大学医学部衛生学 山野 優子||令和3年7月に厚生労働省により「職場における化学物質等のあり方に関する検討会報告書」が発表された。その後3年ほど経過し、各企業等は自律的化学物質管理の体制構築が求められ、また、令和6年4月からは「労働安全衛生規則第577条の2第3項及び第4項に基づき実施する健康診断」(以下、「リスクアセスメント対象物健康診断」)を含めて、化学物質自律的管理に関する一連の政省令全項目が施行され、組織は対応を迫られることとなった。それらを支える行政等から発出される情報も徐々に増えてきており、リスクアセスメント対象物健康診断に関しても、令和5年10月に「リスクアセスメント対象物健康診断に関するガイドライン」が公示された。|リスクアセスメント対象物健康診断は、従来の特殊健康診断のように実施頻度や検査項目が法令で定められていないため、事業者が実施の要否をはじめ、対象労働者の選定、検査項目、実施頻度の設定等について判断をしなければならない。その判断に当たっては「ガイドライン」が活用されるが、健診実施要否や項目に関する意見を聞かれる産業医等が、どのような情報をもとに、どのように考えれば良いかという指針はガイドラインとは別に必要であると認識し、当学会産業医部会では、【リスクアセスメント対象物のリスクアセスメント結果に基づき健康診断の要否および項目等を決める際の考え方】をまとめたところである。|これらの経緯をふまえ、本シンポジウムでは、化学物質の自律的管理に産業医はどう向き合うかを論じてみたい。|まずは、当学会産業医部会長でもある日本製鉄株式会社東日本製鉄所 宮本俊明先生より「リスクアセスメント対象物健康診断と産業医の関係 ~産業医部会提言より~」として、産業医等がばく露による健康障害発生リスクを適切に評価し、その結果に基づいて述べる健康診断要否の整合性についてご教示頂く。次に、花王株式会社 清水智意先生から大企業の産業医としての関与、特に化学物質管理を足掛かりにして、有害因子全体を管理する仕組みの模索等、大企業ならではの取組みを説明頂く。また、桜十字福岡病院及び株式会社HealthCraftの池上和範先生から、中小企業の経営者との対話に基づく持続性と実効性のある化学物質管理の戦略等をご紹介頂く。引き続き、一般財団法人 君津健康センター 山瀧 一先生から、健診機関とそこに勤務する医師が産業医として選任された事業場で果たすべき役割についてをお示し頂く。最後に、(公社)鹿児島県労働基準協会 小田原 努先生から、人的資源が少ない中小企業の化学物質自律管理の支援における現状の具体的な課題やニーズについて、アンケート調査等を踏まえて解説頂く。|リスクアセスメント結果に基づいた健康診断の要否および項目等の判断は、運用がはじまったばかりであり、混乱の最中である産業保健職も多いはずである。本シンポジウムが一人でも多くの皆様へ参考となれば幸いである。|
清水 智意1 (1.花王株式会社)
池上 和範1,2 (1.医療法人福岡桜十字 桜十字福岡病院, 2.株式会社HealthCraft)
山瀧 一1 (1.一般財団法人 君津健康センター)
小田原 努1 (1.(公社)鹿児島県労働基準協会)