第97回日本産業衛生学会

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シンポジウム

シンポジウム 7 広島G7サミット後の本学会『100周年を見据えたミッション』―産業衛生分野における国際協力

Thu. May 23, 2024 3:50 PM - 5:50 PM 第9会場 (中国新聞社 7F ホール)

座長: 山本 秀樹(帝京大学 薬学部 環境衛生学研究室), 吉川 悦子(日本赤十字看護大学看護学部)

「広島G7サミット」が2023年5月19-21日に開催された。G7サミットの会議が終われば、議長国としての役割は終わったわけでなく、議長国の任期は2023年1月から12月まであり、この間リーダーシップを持って取り組む事が責務とされている。G7サミットの関連行事として、各分野での担当大臣による会議が各地で開催された。その内、「G7倉敷労働雇用大臣会合」が「広島G7サミット」に先立ち2023年4月22―23日に岡山県倉敷市で開催された。倉敷市内のアイビースクエア(倉敷紡績跡地)では記念碑が建立されている。|2024年5月22日-24日に開催される、第97回日本産業衛生学会は「G7 広島サミット」が開催された広島国際会議場で1年後に開催されることから、「G7広島サミット」の意義を再確認するとともに、本学会の100年の歴史をふり返り、今後の本学会が果たすべき役割について考える機会として本シンポジウムを企画した。| 本学会は、1921年に岡山県倉敷市に開設された「大原労働衛生研究所」の初代所長を務めた暉峻義等(てるおかぎとう)が本学会の初代会長として第1回産業衛生学会を開催することに始まる。「大原労働衛生研究所」は倉敷紡績の創業者である大原孫三郎が大地主であり、農業に関する研究所である「大原農業研究所」を1919年に作り、当時の農民の健康問題(栄養や感染症)が大きな問題であることから、暉峻義等を招いて「大原労働衛生研究所」として独立した研究所を開設した。本学会の歴史が倉敷労働科学研究所から始まり、農業とも関わりが深いこと、世界的には持続可能な国連開発目標(SDGs)にも目標2「飢餓をゼロに」、目標3「健康と福祉」,目標8「働きがいも経済成長も」が含まれていることも踏まえて、広島G7サミットの成果を踏まえて、本学会の「100周年を見据えたミッション」として、「第一次産業労働安全衛生研究会」「労働衛生国際協力研究会」共同で提案したい。| 本シンポジウムでは、第1演者として坂元晴香氏(東京女子医科大学・准教授)よりグローバルヘルスの動向および、G7サミットを踏まえて我が国が国際社会で果たすべき役割について報告を行う。第2演者の酒井一博氏(大原記念労働科学研究所・前所長)からは大原労働科学研究所の歴史―大原奨農会農業研究所から倉敷労働科学研究所に発展した歴史、農業分野における産業衛生の研究について紹介する。第3演者の川上剛氏(ILOニューデリー事務所)より、ILOが目指しているDecent Work(働きがいのある人間らしい仕事)に関する具体的な取り組みー中小企業や農業等の分野で行われている参加型取り組み(WIND:Work Improvement in Neighborhood Development)等を紹介する。| 総合討論として、本学会が「広島G7サミット」を踏まえてとり組むべき課題について議論を行う。