岡村 智教1 (1.慶應義塾大学医学部)
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シンポジウム
シンポジウム 23 動脈硬化性疾患予防の最新の知見を産業保健現場に生かす~家族性高コレステロール血症を中心に~
Sat. May 17, 2025 10:30 AM - 12:30 PM 第5会場 (東北大学百周年記念会館 2F 川内萩ホール)
座長: 廣部 一彦(有限会社阪神労働衛生コンサルタント/動脈硬化学会名誉会員), 土肥 誠太郎(株式会社MOANA土肥産業医事務所)
脳血管疾患・心疾患は40歳から65歳までの死因の約25%を占めており、脳血管疾患は後遺症の問題から労働能力の大きな損失を被り、QOLの低下を招きます。また、長時間労働や過重労働は、これらの疾患の発症に関与していると考えられます。従って、脳血管疾患・心疾患への対策は、産業保健現場において、労働者の健康の保持増進の側面及び労働災害(過労死)の防止の側面から重要な課題です。さらに動脈硬化性疾患は、リスクファクターの解明も進み予防可能な疾患群と考えられます。このような視点から、日本産業衛生学会と日本動脈硬化学会は、それぞれの学術集会において合同シンポジウムを開催し、動脈硬化性疾患の予防にむけた取り組みを行っています。
そこで、今回のシンポジウムでは、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022の改訂点のポイントや背景を基に動脈硬化性疾患における脂質異常症のリスクについて岡村智教先生に解説頂きます。次いで、近年、研究が進んでいる脂質代謝異常と遺伝子に関する最新について吉田雅幸先生に解説頂きます。次に産業保健現場で注意し早期に発見すべき疾患である家族性高コレステロール血症を見つけるポイントについて小倉正恒先生に解説頂き、最後に、産業保健現場における大規模コホート研究であるJ-ECOH Studyに基づく働く世代の動脈硬化性疾患の現状を溝上哲也先生より解説いただきます。
このような専門家の話をお伺いした上で、最後に、職域における動脈硬化性疾患予防の実践とリスク管理について討議し、さらに遺伝性疾患の合理的配慮に対する考え方に関する意見交換ができればと考えます。
吉田 雅幸1 (1.東京科学大学)
小倉 正恒1 (1.順天堂大学)
溝上 哲也1 (1.国立国際医療研究センター)