今井 鉄平1 (1.OHサポート株式会社)
セッション情報
シンポジウム
シンポジウム 6 小規模事業場へ産業保健サービスを提供するために~先行事例から実装化をすすめる
2025年5月16日(金) 13:45 〜 15:45 第1会場 (仙台国際センター 展示棟 1F 展示室3)
座長: 中平 浩人(新潟青陵大学・院/新潟県医師会産業保健部長), 寺田 勇人(高輪労働衛生コンサルタント事務所/東京都医師会産業保健委員会)
このシンポジウムは、中小企業安全衛生研究会が企画しました。
産業構造に欠かせない中小規模事業場、特に50人未満の小規模事業場の産業保健活動は不充分なことが指摘されてきました。全労働者の6割弱を占めるこれらの労働者への対策は、少子高齢化・人口減少社会においては地域が存続するためにも重要です。日本産業衛生学会も、2024年に「産業保健サービスを小規模事業場(従業員数50人未満)へ提供するために」を提言しました。当研究会では良好事例の収集・紹介・研究活動に取組んで来たことから、このシンポジウムにて、現行法制度下で知恵を絞っている先行事例を提示し、上記提言の議論を深め、提言の実装への鍵を探りたいと思います。
最初にご登壇頂きます今井鉄平先生は、産業医と産業看護職のチーム形態で、50人以上はもちろん産業医選任義務のない50人未満の小規模事業場を契約数の半分近くも担当されています。どのような理念と方法で50人にとらわれない産業保健サービスを実践されているか、さらにどう拡大していったかについて、「小規模事業場への産業医・看護職による支援」と題して発表頂きます。
次に、錦戸典子先生に「小規模事業場における産業保健活動の推進に向けて、地域・職域連携を含めた多機関多職種支援ネットワークの構築を!」をお話し頂きます。錦戸先生はこれまで地域・職域連携に長く携われ、地域で多職種によるチームを形成して小規模事業場にアプローチされています。さらに、多機関によるネットワークの重要性とそれがもたらす可能性についても発表頂きます。
3番目に、「地域産業保健センターで活動する登録保健師の先行事例調査から」を森鍵祐子先生にお願いしました。森鍵先生が山形産業保健総合支援センター(以下、産保センター)の産業保健相談員として実施された全国地域産業保健センター(以下、地産保)訪問調査をはじめとする登録保健師に関する事例調査から得られた知見について話して頂きます。
続いて、吉田正子先生には、産業保健専門職として関わっておられる「新潟県内の地域産業保健センターにおける産業保健看護職の活用」について、森鍵先生と連携して発表頂きます。新潟県では、地産保のコーディネーター複数制及び保健師がコーディネーターと登録保健師を兼務する体制としたことから、今後地産保の役割が拡大する中、この取組の展望をお聞きします。
最後に、「小規模事業所での産業保健活動におけるICT活用」と題するご発表を三宅琢先生にお願いしました。三宅先生は、ICT端末普及当初から機能やアプリの有用性の限界に挑戦し進化し続け、産業保健の届きにくい遠隔地における情報共有、職場巡視の指摘個所の認識から対応までの迅速性をあげ、費用負担が少なく小規模事業場にも推奨されています。また、眼科専門医として、障害者や高齢者の実践的な合理的配慮を行うツール活用の職場事例も紹介頂きます。
錦戸 典子1 (1.東海大学医学部看護学科 客員教授/独)労働者健康安全機構 産業保健アドバイザー)
森鍵 祐子1,2 (1.山形大学大学院医学系研究科看護学専攻、2.山形産業保健総合支援センター)
吉田 正子1 (1.新潟産業保健総合支援センター)
三宅 琢1 (1.株式会社Studio Gift Hands)