平岡 晃1 (1.ひらおか内科クリニック)
セッション情報
シンポジウム
シンポジウム 1 学術委員会企画:2040年を見据えたリサーチマップ作り
2025年5月15日(木) 09:00 〜 11:00 第1会場 (仙台国際センター 展示棟 1F 展示室3)
座長: 江口 尚(産業医科大学 産業生態科学研究所 産業精神保健学研究室), 川島 恵美(株式会社Keep Health)
2040年という未来は、単なる遠い目標ではなく、現在の選択と行動の積み重ねによって形作られるものである。その実現には、制度設計や研究基盤の推進といった長期的な取り組みが必要であり、産業衛生学分野においても2040年に向けた方向性を描くことが本学会には求められている。
「2040年に向けたリサーチマップ作り」のシリーズは、第33回日本産業衛生学会全国協議会(甲府)から、学術委員会を中心に継続して開催されてきた。過去のシンポジウムでは、2040年を一つの時間軸として設定し、若手研究者や実務家を中心とした様々な立場の演者が、人口構造の変化やAIの活用などを含む産業保健・産業衛生の課題を論じ、参加者とともにその展望について議論を重ねてきた。特に第3回では、バックキャスティングという手法を用いて産業衛生の可能性を深掘りする試みが行われた。これは、理想とする未来像を軸に置き、そこから現在を振り返って必要なアクションを考える思考法である。
今回で4回目となる本シンポジウムでは、産業衛生をベースに様々な分野で活躍するシンポジストが登壇する。多様な働き方を支える産業保健研究者、地域医療と産業保健の連携の実務に自ら挑む臨床家・実務家、産業衛生分野における基礎医学研究者、そしてエビデンスに基づく政策立案を推進する研究者が、それぞれの立場から2040年に向けた産業保健の未来像を論じる。
本シンポジウムの特徴は、若手研究者や実務家が主役となり、多様な視点から2040年に向けた研究課題を共有し、議論する点にある。若手が未来の産業保健にどのように貢献できるかを模索する中で、ベテラン研究者を含むフロアからの積極的なディスカッションがなされてきた。この双方向性が、リサーチマップ作りを学会全体の取り組みへと発展させる原動力となっている。本シンポジウムが、参加者にとって2040年に向けた具体的な行動のヒントとなり、産業保健分野の未来を切り開く一助となることを期待する。
友永 泰介1 (1.産業医科大学 産業生態科学研究所 呼吸病態学研究室)
黒田 玲子1 (1.東京大学 環境安全本部)
和田 耕治1 (1.国立健康危機管理研究機構)