第98回日本産業衛生学会

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シンポジウム

シンポジウム 11 過労死等防止対策推進法制定から10年、これからの過労死等防止対策を考える。

Fri. May 16, 2025 4:45 PM - 6:45 PM 第5会場 (東北大学百周年記念会館 2F 川内萩ホール)

座長: 吉川 徹(独立行政法人労働者健康安全機構労働安全総合研究所過労死等防止調査研究センター), 中西 麻由子(なかにしヘルスケアオフィス)

 2014年11月、過労死等の防止のための対策を推進し、過労死等がなく、仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に寄与することを目的として過労死等防止対策推進法が施行され、10年が経過しました。残念ながら今でも過労死等の問題はなくなっていません。この10年でどんな対策が行われてきたのかを振り返り、向後10年過労死等防止対策がすべての働く人の現場で根付いていくために産業保健職は何を課題として認識し何をやるべきなのか、考えていく時間を設けます。
 最初に、「過労死等防止対策推進法を含む対策のこれまでとこれから」と題して、労働安全衛生総合研究所過労死等防止調査研究センターの髙橋正也さんより、この10年の過労死等防止に関わる行政施策で行われてきたことを踏まえて現状や今後の課題について総論的なお話をしていただきます。
 そして、今後産業保健分野で取り組みを深めていかないといけない課題として、「小規模事業場への産業保健サービスの展開」「ハラスメント対策」「個人事業主・フリーランス問題」の3点を取り上げ、先駆的に活動されている皆さまにご報告いただきます。
小規模事業場への産業保健サービスに関しては、実践知としてご経験を積んでおられるヘルスサポートセンター鹿児島の山本彩加さんより労働衛生機関での取り組みをご紹介頂きます。
 ハラスメント対策に関しては、今後取り組み強化をしていかなくてはいけない「カスタマーハラスメント」に着目し、航空業界で取り組みをされている日本航空株式会社の田中雄作さんよりご教授いただきます。
 従来の労働安全衛生法の労働者保護の対象にならない個人事業者支援の事例として、一般社団法人日本芸能従事者協会の森崎めぐみさんより、芸能従事者が置かれている現状と課題についてお話頂き、重層構造の中で働かれているフリーランス支援について考えるヒントを頂きます。
 最後に各演者のお話を受けて、業務に起因する疾病(過労死等)を1人でもなくす社会の実現に向けて、フロアの皆さまと一緒に「産業保健に関わる私達ひとり一人ができること」を考えていきます。