第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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臨床研究オーディション

[CT-02] 口腔癌遠隔転移に関与する循環腫瘍細胞に関する多施設共同研究

〇柳本 惣市1、大鶴 光信1、鳴瀬 智史2、梅田 正博1 (1.長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 口腔腫瘍治療学分野、2.市立大村市民病院 歯科口腔外科)

背景(わかっていること、わからないこと)
口腔癌の術後再発高リスク例では,局所頸部制御が良好であっても遠隔転移により経過不良となる場合が多い。今後の口腔癌の生存率向上のためには遠隔転移の制御が重要であると考えられる。一般的に固形がんの遠隔転移には循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cells: CTCs)の関与が示唆されている。CTCsは原発腫瘍から切り離され血流中を移動し,元の腫瘍から他の部位に展開して,がん転移を引き起こす腫瘍細胞で,末梢血中に存在する。しかしながら,口腔癌におけるCTCsの臨床的意義は不明である。
研究目的
本研究では,前向きに登録した進行口腔癌患者の末梢血からCTCsを検出し,遠隔転移などとの相関性を検討する。さらに,検出されたCTCsの全ゲノムDNAをバイオバンクとして保存しておき,結果的に遠隔転移した症例に関して次世代シーケンサーを用いた解析を行い,特異的に発現している分子を同定することを目的とする。
研究デザインの型 前向き観察研究
対象者(P) 標準治療を行ったステージIIIおよびIV口腔癌
対照(C) 
要因(E)と測定法 or 介入(I)とその方法
標準治療を行ったステージIIIおよびIV口腔癌患者の末梢血からCTCsを検出する。
アウトカム(0)と測定法
主要評価項目:遠隔転移発生割合
副次的評価項目:全生存率,無再発生存率
サンプル数 150例(年間症例数を各施設15例とし,症例登録期間1年,参加施設10施設とした場合)
研究期間 登録期間: 1年。 追跡期間: 登録終了後2年。 総研究期間: 3年。
調整すべき変数(交絡因子)術後治療,再発高リスク因子
統計解析方法
遠隔転移発生割合および生存率については,Kaplan-Meier法にて生存率を算定し,log-rankテストにて有意差を検討し単変量解析を行う。多変量解析はCoxの比例ハザードモデルを用いて行う。
倫理的配慮、問題点、その他
研究計画は主幹施設ならびに参加施設の倫理委員会の承認を得る。対象患者には本試験参加の同意を得る。