第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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1.悪性腫瘍・臨床統計

[P01-03] 東京歯科大学口腔がんセンターにおける終末期口腔がん患者の臨床的検討

〇相磯 友里1,2、大金 覚1、鈴木 大貴1、髙野 正行1,3、片倉 朗1,4、髙野 伸夫1、野村 武史1,2 (1.東京歯科大学 口腔がんセンター、2.東京歯科大学 口腔腫瘍外科学講座、3.東京歯科大学 口腔顎顔面外科学講座、4.東京歯科大学 口腔病態外科学講座)


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【緒言】口腔がん患者の終末期は疼痛および栄養管理に始まり、腫瘍部からの出血や気道閉塞に対する対応などの問題が存在する。そのため当院では緩和ケアチームや栄養サポートチームなど多職種と連携し対応している。しかし、これらの特殊性から転院調整に難渋することも少なくない。今回我々は口腔がん終末期症例の転院調整前後の臨床経過について検討を行ったので報告する。【対象及び方法】2010年4月1日から2019年3月31日までに東京歯科大学口腔がんセンターで終末期対応を行った口腔がん患者121例を対象とした。調査項目は、生活背景、治療歴、終末期の諸症状、入院の契機、療養先とし、診療記録から後方視的に検討をした。【結果】全身状態の悪化で入院となったのは73例(60.3%)であった。主な症状は呼吸苦、癌性疼痛、腫瘍からの出血であった。看取り先は当院50例(41.3%)、他施設44例(36.4%)、在宅27例(22.3%)であった。当院で看取りをした50例のうち27例(54%)は転院希望があったが急激な状態悪化をきたし転院調整中に当院で永眠した。【考察】当院で看取った症例の多くは、口腔がんの特殊性から受け入れ先の問題、患者、家族の不安などにより転院調整が長期化したものであった。そのため患者、家族、医療者が、病状、患者の価値観、今後の治療や看取り先に関して早期から繰り返し協議することが重要であると考えられた。