第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

講演情報

一般演題(eポスター)

PDFポスター » 1.悪性腫瘍・臨床統計

1.悪性腫瘍・臨床統計

[P01-05] 非外科療法を適用した口腔扁平上皮癌の治療成績

〇櫻井 航太郎1、今上 修一1、池田 篤司1、冨原 圭1、野口 誠1 (1.富山大学 学術研究部医学系 歯科口腔外科学講座)


ポスターを表示

【緒言】口腔扁平上皮癌の標準治療は外科療法であるが、切除不能、手術拒否や重篤な併存疾患を持つ症例などに対し、非外科療法を選択する場合がある。当科で行った非外科療法症例を後方視的に検討し、その適応について考察する。【対象・方法】2007年4月から2020年3月の間に当科を受診した口腔扁平上皮癌一次症例292例のうち、放射線治療を主体とする非外科療法を適用した33例を対象とし、その治療法、治療成績を検討した。【結果】33例の臨床病期(UICC)はStageⅡ7例、Ⅲ5例、Ⅳ21例であった。治療法の内訳は放射線治療(RT)7例、化学放射線療法(CRT)7例、導入化学療法(IC)+RT2例、IC+CRT17例であった。Stage別の5年全生存率は、StageⅡ47.6%、Ⅲ66.7%、Ⅳ58.6%であり、5年疾患特異的生存率はStageⅡ66.7%、Ⅲ66.7%、Ⅳ58.6%であった。ICを行った17例のうち、PR以上の効果が得られた13例の粗生存率は89.1%であったが、治療効果がSD以下の4例では33.3%であった。【結論】非外科療法の治療成績は決して満足できるものではないが、ICの効果がPR以上のものについては高い治療成績が得られており、非外科療法の選択において参考になる可能性がある。