第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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2.悪性腫瘍・手術

[P02-01] 口腔扁平上皮癌におけるminor risk factorの予後因子ならびに治療指標としての後ろ向き観察研究

〇山田 慎一1、近藤 英司1、橋詰 正夫1、盛岡 昌史1、田中 宏和1、久保 紀莉子1、小田切 宏樹1、櫻井 精斉1、松村 直樹1、後藤 弘一1、赤羽 由紀子1、安齋 和憲1、酒井 洋徳1、栗田 浩1 (1.信州大学 医学部 歯科口腔外科学教室)


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現在, 口腔癌の術後再発高リスク因子は被膜外浸潤, 顕微鏡的切除断端陽性とされ, 術後化学放射線療法(CCRT)が適用されている. しかしながら, T3/T4, N1, N2/N3,神経浸潤, 脈管侵襲などのminor risk factorについて検討した報告は少なく, minor risk factorによる術後CCRTの適用のコンセンサスは得られていない.今回,口腔扁平上皮癌におけるminor risk factorの臨床的意義について検討した.

 対象は, 2008年から2018年の間に手術を主体とした根治的治療が行われ, 術後再発高リスク因子症例を除いた175例を対象とした. Minor risk factorの臨床的意義を生存率を基に検討した.

多変量解析では, 浸潤様式はRFSと有意に相関し(grade 4 vs. grades 1–3:HR:3.096, 95%CI:1.367–6.884, p<0.01),OSと相関する傾向がみられた. 神経浸潤はOSとCSSと相関する傾向がみられた. Minor risk factorを2つ以上有する群では, 有意に予後不良であった(OS: p<0.01, CSS: p<0.001, RFS: p<0.05).

 浸潤様式と神経浸潤が有意なminor risk factorとなることが示唆され, 2個以上のminor risk factorを有する症例では予後不良となることが示唆された.