第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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2.悪性腫瘍・手術

[P02-07] 左右下顎歯肉に生じた同時性癌の1例

〇畠山 大二郎1、井上 敬介1、飯田 一規1、加藤 惠三1 (1.岐阜大学 大学院医学系研究科 口腔病態学分野)


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<緒言>口腔がんはfield cancerizationにより、多発癌のリスクが高いことが知られている。口腔内多発癌のうち、1年未満の期間に診断されたものを同時性癌、1年以上の期間に診断されたものを異時性癌とされている。今回我々は、左右下顎歯肉に同時性に生じた同時性癌の1例を経験したので、若干の考察を加えて報告する。
<症例>患者は57歳女性。かかりつけ歯科医院にて、慢性辺縁性歯周炎の診断下に左下第二大臼歯の抜歯を施行されたが、抜歯窩治癒不全を認めたため、2週間後に再掻爬術を施行された。その後も治癒不全が継続したため、近くの病院歯科を紹介されたが、悪性腫瘍が疑われたため、精査・加療を目的に当科紹介され初診となった。
 左側下顎第二大臼歯部を中心に潰瘍の形成を認め、組織生検で高分化型扁平上皮癌の診断を得た。また右側下顎第二大臼歯にも発赤を認めたため、組織生検を施行したところ、同様に高分化型扁平上皮癌の診断を得た。画像検査と併せて、cT3N0M0の診断下(右側:cT1、左側:cT3)に、左側下顎骨区域切除術・再建プレートによる即時再建術、右側下顎骨辺縁切除術を施行した。現在までのところ、再発転移の所見はなく厳重に経過観察中である。