The 39th Annual Meeting of Japanese Society of Oral Oncology

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一般演題(eポスター)

PDFポスター » 2.悪性腫瘍・手術

2.悪性腫瘍・手術

[P02-08] A case of squamous cell carcinoma developing in the forearm flap of after mandibular gingival carcinoma ablation.

〇Mitsuhiko Hasebe1, Koji Kawaguchi1, Tsuyoshi Amemiya2, Takanori Eguchi1, Mami Suzuki3, Hideki Hojo3, Shuji Koyama4, Yoshiki Hamada1 (1.Department of Oral and Maxillofacial Surgery, School of Dental Medicine, Tsurumi University, Kanagawa, Japan, 2.Department of Oral and Maxillofacial Surgery, Saiseikai Yokohamashi Tobu Hospital, 3.Department of Oral and Maxillofacial Surgery, Shonan East General Hospital, 4.Department of Oral and Maxillofacial Surgery, Ozawa Hospital)


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口腔悪性腫瘍では腫瘍切除後の広範な欠損に対して皮弁再建が用いられるが, 再建した皮弁に癌が発生したという報告は極めて少ない. 我々は, 約30年前に右下顎歯肉癌に対して下顎区域切除・血管柄付き腸骨と前腕皮弁による再建を施行した患者の前腕皮弁に扁平上皮癌を認めた1例を経験したので報告する. 症例は87歳の女性. 約30年前に右下顎臼歯部の疼痛を主訴に来院し, 最大径33mmの潰瘍と硬結を伴う病変を認めた. 右下顎歯肉扁平上皮癌(T2N0M0)の診断のもと, 下顎区域切除術を施行し, 血管柄付き腸骨と前腕皮弁による即時再建を施行した. また, 右舌縁の白板症(低異形成)も同時に切除した. その後の2008年に右舌残存部位の白斑を認め, 扁平上皮癌の診断にて部分切除術を施行し, 2013年に右舌癌再発にて再度部分切除術を施行した. 以降, 経過を診ていたが2019年7月, 前腕皮弁再建部位に15×10mm大の易出血性の腫瘤を認めた. PET検査では同部位に集積があり, 生検で扁平上皮癌の診断を得たため, 同年8月に充分な安全域を設けて切除した. 術後約14か月を経過したが, 再発や転移を認めず経過良好である. 今回の皮弁部発癌はfield cancerizationと同じ機序で生じた二次原発癌と考えられた. 頭頸部癌の再建皮弁における発癌報告は少ないが, 皮弁再建後16年や30年後に発癌したという報告もあり, 再建皮弁にも発癌リスクがあることを念頭に置いた経過観察を要すると再認識させられた.