The 39th Annual Meeting of Japanese Society of Oral Oncology

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一般演題(eポスター)

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2.悪性腫瘍・手術

[P02-11] A case of Epithelioid sarcoma of the lower lip

〇Chiharu Ogawa1, Taishi Nakamura1, Yuta Yasui1, Toshihiro Hasegawa1, Toru Motoi3, Yasunobu Terao2, Sadao Ohyama1 (1.Department of Oral and Maxillofacial Surgery, Tokyo Metropolitan Cancer and Infectious Diseases Center Komagome Hospital, 2.Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Tokyo Metropolitan Cancer and Infectious Diseases Center Komagome Hospital, 3.Department of Pathology, Tokyo Metropolitan Cancer and Infectious Diseases Center Komagome Hospital)


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【緒言】類上皮肉腫はWHO軟部腫瘍分類では分化不明の悪性軟部腫瘍に分類されている。病変の増大は緩徐であるが高率に再発と転移を生じる高悪性度の軟部肉腫であり、ほとんどの軟部肉腫と異なりリンパ節転移をきたしやすい傾向がある。根治的治療としては広範切除が第一選択となる。若年成人の上肢遠位(手と前腕)に好発し口腔内に発生する例は極めて稀である。今回われわれは下唇に発生した類上皮肉腫の1例を経験したので報告する。

【症例】患者は62歳、女性。2018年6月頃より左下唇の硬結を自覚し近皮膚科および歯科にて粘液嚢胞と診断され経過観察となったが、その後増大傾向があり同年12月に当科初診となった。初診時、左下唇粘膜下に5mm径の弾性硬の小結節を認め境界はやや不明瞭であった。

【処置および経過】局所麻酔下にopen biopsyを施行したところ類上皮肉腫の診断であった。CT、MRI、PET-CT検査では頸部および遠隔転移は認めなかった。2019年2月に全身麻酔下に広範切除(3cmの安全域を設けて切除)、左機能的頸部郭清、左前腕皮弁再建術を施行した。悪性度の指標となるFNCLCC grading はtotal score:5、grade 2であった。その後、当院骨軟部腫瘍科にてAI療法(Doxorubicin+ Ifosfamide)を5クール施行した。現在術後1年8か月経過し、再発転移はなく経過良好である。