第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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2.悪性腫瘍・手術

[P02-12] 下顎骨に発生した滑膜肉腫の一例

〇塩山 理子1、今城 育美1、藤永 貴大1、清島 保2、山田 朋弘1 (1.九州大学大学院歯学研究院 口腔顎顔面病態学講座 口腔顎顔面外科学分野(主任:森 悦秀教授)、2.九州大学大学院歯学研究院 口腔顎顔面病態学講座 口腔病理学分野(主任:清島 保教授))


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【緒言】滑膜肉腫は四肢の関節付近に発生しやすい軟部腫瘍であり、顎骨内から発生したとされるものは報告が少ない。今回われわれは、左側下顎骨内に発生した滑膜肉腫の1例を経験したので報告する。

【症例】患者は54歳女性で、2019年10月より左側下顎臼歯部の咬合痛を自覚した。その後、左側オトガイ神経領域の知覚鈍麻および臼歯部の自発痛が出現したことから、2020年2月に原因精査のため当院歯科麻酔科を受診した。CTで骨膨隆と皮質骨破壊、下顎管の断裂を認め、造影MRIではT2で高信号かつ淡く造影される骨髄内病変および腫瘤を認め、ADC値は低値であった。悪性リンパ腫の臨床診断で生検術を行ったところ、病理診断は滑膜肉腫であった。2020年6月に左側下顎半側切除術、左側肩甲舌骨筋上頸部郭清術、腓骨皮弁再建術を行った。手術1か月後から術後化学療法(AI療法:5クール)を行い、現在まで再発転移は認めていない。