[P02-20] Videocapillaroscopyを使用した遊離皮弁毛細血管循環のリアルタイム評価検証について
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背景
頭頚部悪性腫瘍切除手術に対し、血管吻合を伴う遊離皮弁移植は再建術式として近年多用されており、術後皮弁血流の評価に皮弁色の観察やピンプリックテスト、超音波検査等が一般的に行われている。一方で以前より膠原病の病期診断に爪郭部ビデオ毛細血管顕微鏡を用いた微小血液循環観察が行われていたが、今回その技術を応用しVideocapillaroscopyを用いて遊離皮弁皮膚表面の微小血液循環をリアルタイムに観察し、解析を行ったため報告する。
方法:
2019年11月から2020年6月に頭頸部悪性腫瘍切除術後に遊離皮弁移植を受けた10人の患者に関して検討を行った。Videocapillaroscopyによる皮弁表面の観察は遊離皮弁挙上後に行われ、皮弁茎の動脈および静脈をそれぞれ1分間血管クリップでクランプし、皮弁皮膚表面の毛細血管循環の変化を記録した。
結果。
平均総手術時間は517.91分(SD = 73.3)、平均皮弁挙上時間は102.9分(SD=18.3)であった。皮弁茎動脈をクランプすると、視覚化できる血管の数が減少し、皮弁色が蒼白化する過程が観察された。また皮弁茎静脈をクランプすると、視覚化できる血管の数が増加し、皮弁色が赤く鬱血する過程が観察された。どちらもクランプから60秒後には血管内の赤血球の動きが殆ど観察されなくなり、クランプ解除直後から赤血球の動きの急速な回復が観察された。
結論:
Videocapillaroscopyは、皮弁皮膚毛細血管微小循環を直接視覚化することにより、客観的な皮弁のリアルタイムモニタリングに非常に有効なことが明らかになった。