[P02-21] Trumatch®を用いて下顎臼歯部に生じた類腱型エナメル上皮腫に対して顎骨再建を行った1例
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【緒言】
エナメル上皮腫の根治療法は病変の範囲が広い場合には顎骨切除術が選択され、顎骨の欠損部に対して自家骨移植とプレートによる顎骨再建が行われることが一般的である。この再建には術前におけるプレートの屈曲、骨の採取量の計画を立てるが術中で調整を強いられることも多い。近年、カスタムメイド・チタンプレートと移植骨の採取と調整をガイドするTrumatch® を用いることで効率的な手術が可能となった。そこで今回われわれはTrumatch®を用いて下顎臼歯部に生じた類腱型エナメル上皮腫(以下:DA)に対して下顎区域切除後に腸骨ブロック移植による顎骨再建を行った1例を経験したので報告する。
【症例の概要】
39歳、男性。2020年1月右側下顎角部の腫脹にて当科に受診し、パノラマX線写真にて右下3~下顎枝に及ぶ多房性、境界明瞭な透過像を認めた。3月に生検を行いエナメル上皮腫との診断を得た。術前に設計者とオンライン上でCT画像を共有しデバイスの設計についての検討を行った。7月に全身麻酔下に下顎区域切除術、顎骨再建術、神経修復術を行い、術後の病理組織診断はDAであった。Trumatch®により切除範囲の決定、腸骨採取からの移植、プレートの適合が計画通りに行えた。
【結語】
Trumatch®を用いて下顎臼歯部に生じたDAに対して顎骨再建を行った1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告した。