第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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4.悪性腫瘍・画像

[P04-04] CT画像の深層学習による頸部リンパ節の検出と口腔がん転移の判定

〇武田 啓太1、松成 孝泰1、高田 寛之2、見立 英史3、大場 誠悟3、緒方 絹子3、楢原 峻3、酒井 智弥2、朝比奈 泉3 (1.長崎大学 工学部 工学科 情報工学コース、2.長崎大学 大学院工学研究科、3.長崎大学 大学院医歯学総合研究科 顎口腔再生外科分野)


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【緒言】口腔がんの治療計画立案においては頸部リンパ節転移の評価が必要であり、CTおよび超音波検査による画像診断が行われる。CT画像において頸部リンパ節(LN)領域を特定し、転移の有無を調べる必要がある。その際、LN領域の切り抜き方法によっては転移に関する画像特徴が失われている可能性があった。その解決策として、画像のLN領域のリサイズを避け、検出および識別を同時に行う画像認識技術について、我々は昨年度の本総会で発表した(石川ら2019)。このとき、CT画像全体から畳み込みで抽出した特徴の組合せは、LNの検出やがん転移の有無の識別に有効な情報を持つことが明らかとなっている。

 本研究では、この研究で示された画像認識技術に対し、教師画像を追加した場合や、データ拡張の有無による識別性能の推移を探り、誤検出や検出漏れの傾向を調査し、性能向上を図ることとした。

【対象】訓練データは長崎大学病院口腔外科での手術療法施行例を用いた。全例術前CTと術後病理検査結果を利用している。

【方法】画像認識方法はR-CNNによりCT画像からLNの検出とがん転移の有無を識別した。訓練データのCT画像の各LNに対し、その領域とがん転移の有無を表すラベル付与作業を施行した。

【結果】先行研究ではチャンスレートを上回る性能を示したが、そこから発展して訓練データの増加に基づく性能向上と検出、データ拡張の有無による変化、識別失敗の傾向を報告する。