第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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4.悪性腫瘍・画像

[P04-08] 早期口腔扁平上皮癌の切除範囲の設定における口腔粘膜観察装置の有用性について

〇藤井 智子1、阪本 主2、渡辺 昌広1、中島 章宏1、堀井 活子1、本橋 具和1、正重 裕一1、窪 寛仁1、大西 祐一1、中嶋 正博1 (1.大阪歯科大学口腔外科学第二講座、2.大阪歯科大学大学院歯学研究科(口腔外科学専攻))


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【緒言】表在性の口腔扁平上皮癌や早期癌においては,周囲に上皮異形成を伴うことがあり,切除範囲の決定に苦慮する.近年,口腔粘膜に励起光を照射し,正常組織と口腔潜在的悪性疾患や扁平上皮癌を識別する口腔粘膜観察装置が,有用であると報告されている.そこで本研究では,早期口腔扁平上皮癌における切除範囲の設定に関して口腔粘膜観察装置の有用性について検討したので報告する.【方法】舌癌10例,上顎歯肉癌2例を対象とした.手術時に蛍光ロスの範囲を描出し,さらにその外側に5mmマージンを設定し,切除範囲を決定した。切除後,術前に記入した蛍光ロスの断端24サンプルを病理組織学的に検討した。【結果】蛍光ロスを示した全ての領域で上皮異形成を認めた。蛍光ロスの断端部はそのほとんどは上皮異形成が中等度以上であった。また、口蓋部歯肉においても鮮明に蛍光ロスの範囲を描出できた。【結論】口腔粘膜蛍光観察装を用いることで、肉眼では抽出困難な病変部の進展範囲の可視化が可能であり,外科切除時における切除範囲の設定に有用であることが示唆された.