第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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4.悪性腫瘍・画像

[P04-09] メタルアーチファクトを回避するようにCT撮影を行った舌がん患者の2例

〇上原 忍1、瀧沢 淳1、高見澤 聡一1、栗田 浩2 (1.信州上田医療センター 歯科口腔外科、2.信州大学医学部歯科口腔外科)


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緒言:舌がんのCT撮影時に歯科補綴物はメタルアーチファクトを生じさせ読影を困難にしてしまうことが多い.今回,舌がん患者のCT撮影時に補綴物によるメタルアーチファクトを回避して病変を確認できた2例について報告する.方法:補綴物と舌がん病変部とがCT断層面で重ならないように,1㎝角の発泡スチロールを咬んで開口位を保持するか,オトガイ部を突出させるかして撮影した.症例1:79歳 女性.初診日2010年3月.現病歴:舌全体の白色病変があり経過観察.2018年11月末から右舌縁前方部の痛みを自覚し腫瘤が次第に増大.現症:右舌縁前方部に10×10mmの隆起性の硬結を触れる病変を認めた.両側上下顎臼歯部と上顎前歯に補綴物あり.生検にて扁平上皮癌.造影CT:左臼歯部に発泡スチロールを咬み開口位で撮影,右舌縁に径16㎜,深さ6㎜の造影される病変を認めた.症例2:88歳 男性.初診2020年9月.現病歴 1ヶ月前から左舌後方に痛みを自覚.既往歴:高血圧,糖尿病.現症:左舌縁後方部に25×15㎜の不整な中央穿掘性潰瘍で深部硬結の病変を認めた.上顎無歯顎、右下顎臼歯部に補綴物あり.擦過細胞診でClassⅤ(扁平上皮癌).造影CT:下顎オトガイ部を突出させ撮影し,左舌縁後方に径29㎜、深さ19㎜の造影される病変を認めた. 結語:舌がん患者において,補綴物と病変部とがCT断層面で重ならないようアーチファクトを避けて撮影することは,病変の読影に有用である.