第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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4.悪性腫瘍・画像

[P04-12] 舌扁平上皮癌の後発リンパ節転移が疑われた形態異常を伴う局所性顎下腺炎の1例

〇竹内 明子1,2、山野 茂1、鈴鹿 正顕1,3、志摩 朋香1,4、箕輪 和行1,2 (1.北海道大学病院歯科診療センター歯科放射線科、2.北海道大学医学研究院死因究明教育研究センター、3.日鋼記念病院放射線治療科、4.市立旭川病院放射線治療科)


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【緒言】舌扁平上皮癌において頸部リンパ節転移は予後に関わる重要な因子であり, 特に後発転移や被膜外浸潤を伴う場合, 慎重な経過観察が必要となる. 今回我々は, 舌扁平上皮癌の後発リンパ節転移との判別が困難であった, 形態異常を伴う局所性顎下線炎の症例を経験したので報告する.【症例】52歳, 男性. 2014年11月, 右側舌扁平上皮癌(T1N0M0)に対し, 当院にて舌部分切除術施行. 翌年6月, 右側頸部リンパ節転移を認め, 右側頸部郭清術(LevelⅠ~Ⅴ)施行. LevelⅡAに被膜外浸潤を伴う転移リンパ節を1個認めた. CT検査で2017年5月に左側下頸部リンパ節腫大, 2018年6月に左側顎下部にリンパ節を疑う腫瘤の増大傾向を認めた. 同年7, 8月のUS検査で同病変に異常血流信号が見られ, 同年9月, 造影CTで同病変に環状増強像を認めた. PET-CTで同部に異常集積を認め, 転移リンパ節疑いにて, 左側顎下部及び左側下頸部リンパ節摘出術を施行. 術中迅速病理検査では共に悪性所見を認めず. 左側顎下リンパ節転移が疑われた腫瘤は, 炎症を伴った外側に有茎性に突出した顎下腺の一部であった. 以後, 再発や転移の所見なく経過良好である. 【結語】顎下腺外側に有茎性の形態変化を来した炎症性病変であり, 術前に舌扁平上皮癌後発リンパ節転移との判別が困難であった1例を報告した.