第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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5.悪性腫瘍・病理

[P05-01] 口腔細胞診におけるMask-RCNNによる細胞検出および識別について

〇井上 希凜1、下本 陽一2、見立 英史3、大場 誠悟3、緒方 絹子3、楢原 峻3、山本 郁夫2、朝比奈 泉3 (1.長崎大学 大学院工学研究科 博士前期課程 総合工学専攻 機械工学コース、2.長崎大学 大学院工学研究科、3.長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 顎口腔再生外科学分野)


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【緒言】口腔がんは年間15000名が罹患し、約7000名が死亡する希少がんである。早期発見・治療が求められるが、初期の口腔がんは口内炎に非常に似ており、経験を要し、良悪性の判別には口腔細胞診が有用である。しかし、口腔細胞診を行う病理医は不足状態にあり、早期に習熟した病理医を増やすことは難しい。

そこで本研究では、深層学習に代表される人工知能(AI)の適用を考えた。具体的には、口腔細胞診のClass分類を行う画像識別器を構築する。また、画像識別器がClassの決定に用いた主な特徴量および特徴マップを可視化し、分類結果の正当性および診断に役立つ画像特徴について検討する。

【対象および方法】長崎大学病院口腔外科における口腔細胞診施行例を対象とした。液状および擦過細胞診を同時に施行しており、両者を使用した。各細胞診の画像には、Papanicolaou染色された複数の細胞が写っており、全細胞から総合的に判断したClass I~Vのラベルが付与されている。細胞診画像に対してMask-RCNNを使用することで、細胞単位での画像を取得した。そしてAutoEncoderにClassⅡ以下の細胞画像群を学習させることで
ClassⅢ以上の細胞画像群に含まれる細胞の検出を試みた。さらに、AIが診断に用いた特徴量を解析した。検出・識別の詳細を報告する。