第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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5.悪性腫瘍・病理

[P05-06] TRPV4はCaMKII/AKTシグナル伝達を介してヒト口腔扁平上皮癌細胞の増殖を制御する

〇田尻 祐大1、清島 保2、吉川 博政1 (1.九州医療センター、2.九州大学大学院歯学研究院 口腔病理学研究分野)


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Transient Receptor Potential Vanilloid 4(TRPV4)はCa2+透過性の高い非選択的陽イオンチャネルであり、物理刺激(温度・機械刺激)や化学刺激を受容する。最近、複数の癌腫におけるTRPV4と腫瘍形成との関連性を示唆する報告がなされているが、口腔癌における発現や機能は不明である。本研究ではヒト口腔扁平上皮癌(OSCC)におけるTRPV4の発現と機能ついて検討した。OSCC細胞株HSC-4はTRPV4を高発現しており、アゴニスト依存的なCa2+細胞内流入はTRPV4の発現に依存していた。さらに、shRNAを用いてTRPV4をノックダウン(KD)すると、低接着培養と2次元培養では増殖能に有意差は認めなかったが、3次元培養ではsphereサイズが減少した。そして、TRPV4のKDはCaMKIIとAKTのリン酸化を抑制した。加えて、ゼノグラフトモデルにおいてTRPV4は腫瘍細胞増殖に必要であり、ヒト病理組織標本では腫瘍部に高頻度でTRPV4が発現し、AKTのリン酸化と高頻度に共局在していた。以上の結果から、TRPV4はOSCC細胞株に高発現しており、TRPV4はCa2+細胞内流入によるCaMKII/AKTシグナル伝達を介してヒト口腔扁平上皮癌細胞の増殖を制御している可能性が示唆された。