第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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5.悪性腫瘍・病理

[P05-10] 自然消退を来したplasmablastic lymphomaの二例

〇小野 早和子1、佐藤 康晴2、井川 卓朗3、池田 知佳3、柳井 広之1、長塚 仁4、吉野 正3,1 (1.岡山大学病院病理診断科、2.岡山大学大学院保健学研究科病態情報科学、3.岡山大学大学院医歯薬学総合研究科病理学(腫瘍病理/第二病理)分野、4.岡山大学大学院医歯薬学総合研究科口腔病理学分野)


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【症例1】80代、男性。右側上顎に外向性発育を示す腫瘤を自覚し、受診した。腫瘤は歯槽骨に限局しておりCT、PET-CTでは転移を認めなかった。血液検査ではLDH、 sIL-2Rは基準値内、HIVは陰性であった。右上顎歯肉から生検が施行され、組織学的に大型で異型の強いlymphoid cellsが単調に増殖してした。免疫染色ではCD20陰性、CD3陰性、CD138陽性、Ki-67標識率は高率に陽性を示した。In situ hybridization(ISH)ではEBER陽性で、plasmablastic lymphomaと診断された。生検後から腫瘍は縮小傾向となり、上顎骨部分切除術が行われるも腫瘍の残存を認めなかった。【症例2】60代、男性。下顎歯肉に1cm大の腫瘤を認め、受診した。 エプーリスが疑われ、切除術が施行された。組織学的に上皮下結合組織に大型で異型を示すlymphoid cellsの単調な増殖がみられた。免疫染色でCD20陰性、CD3 陰性、CD138陽性、Ki-67標識率は高率に陽性を示した。ISHではEBER陽性であり、以上の所見よりplasmablastic lymphomaと診断された。切除術後、追加治療は行われず経過観察されているが、再発はみられていない。 Plasmablastic lymphomaと診断し自然消退し得た症例報告は少数であり、臨床病理学的な特徴について文献的考察を加えて報告する。