The 39th Annual Meeting of Japanese Society of Oral Oncology

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一般演題(eポスター)

PDFポスター » 5.悪性腫瘍・病理

5.悪性腫瘍・病理

[P05-16] Two cases of epithelial-myoepithelial carcinoma arising in the hard palate.

〇Kohei Okuyama1, Yoshihisa Kashima1, Hideaki Hirai1, Misaki Yokokawa1, Yuko Yamagata1, Yasuyuki Michi1, Hirofumi Tomioka1, Maiko Tsuchiya2, Ko Kayamori2, Tohru Ikeda2, Hiroyuki Harada1 (1.Department of Oral and Maxillofacial Surgery, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University, 2.Department of Oral Pathology, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University)


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【緒言】上皮筋上皮癌(Epithelial-myoepithelial carcinoma,以下EMC)は導管上皮および筋上皮の双方に由来する悪性腫瘍で、その発生は極めてまれである。今回,われわれは硬口蓋に発生したEMCを2例経験したので報告する.【症例1】75歳,女性.生検では多形腺腫の診断であったが,造影MRIでは不均一な造影効果から悪性腫瘍を否定できない所見であった.現在,腫瘍切除術後1年6か月で,再発や転移なく経過している.【症例2】44歳,女性.生検では低悪性度の腫瘍の可能性を否定できない所見であった.Dynamic MRIでは急増急減型を示した.現在,腫瘍切除術後3か月で,再発や転移なく経過している.いずれの症例も露出した口蓋骨の表層を削除し、ネオベールシートを貼付した.組織学的に,腫瘍は口蓋小唾液腺に由来し,腫瘍性筋上皮細胞と胞巣内の腺腔形成細胞がともに腫瘍成分に移行し,二相性の腺腔構造を呈していることから,EMCの病理組織学的診断を得た.切除断端は陰性であった.【考察】本腫瘍の鑑別診断には多形腺腫,腺様囊胞癌,粘表皮癌,腺房細胞癌などが挙げられるが,一般にCTやMRIにおいてEMCに特徴的な所見はなく,これらの唾液腺腫瘍と同様に免疫組織化学染色を含めた病理組織学的診断が必要である.本腫瘍は一般的に低悪性と考えられているが,局所再発は30〜40%に,遠隔転移は4.5%に認めるとも報告があるため,長期にわたる厳重な経過観察が重要である.