The 39th Annual Meeting of Japanese Society of Oral Oncology

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一般演題(eポスター)

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5.悪性腫瘍・病理

[P05-19] A case report of difficult preoperative diagnosis in the patient with cheek SCC

〇Hiroko Sato1, Hiroyuki Naito1, Shota Suzuki1, Shigeyuki Asano2 (1.Department of Dentistry and Oral Surgery, Iwaki City Medical Center, Fukushima, Japan, 2.Pathology Center, Iwaki City Medical Center, Fukushima, Japan)


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【緒言】 唾液腺癌は頭頸部癌の2.5~10%、そのうち小唾液腺癌は22%とされ、また口腔悪性腫瘍の94%はSCCと言われている。唾液腺癌におけるSCCは3%未満との報告や、「rare」と記載されることも多い。今回、由来臓器の同定に苦慮した頬部扁平上皮癌を経験したため報告する。
【症例】 65歳、男性。既往に急性骨髄性白血病、糖尿病を有する。
【現病歴・経過】 1年前より左頬部腫脹が出現。かかりつけ歯科医院経由にて、某年11月8日に当科紹介初診となった。左頬部に5×8cm大腫瘤を認め、皮膚および粘膜は健常であった。導管の開口部にも特異的な所見はないため悪性リンパ腫を念頭に生検を行ったところ、SCCであった。PET検査において他臓器からの転移性腫瘍は否定的であった。12月10日、シスプラチンおよび5-FUによる術前化学療法を行った。1月15日、左頸部郭清術、左頬部悪性腫瘍切除術(頬骨弓・下顎枝合併切除)、遊離腹直筋皮弁による再建術を行った。3月1日から4月12日まで、腫瘍床に対し60Gy/30Frの放射線療法を行った。現在、放射線性顎骨壊死を来しているものの、局所再発、遠隔転移を認めない。
【結語】 由来臓器の同定に苦慮した頬部扁平上皮癌を経験した。唾液腺由来である可能性を有し、唾液腺扁平上皮癌はまれであるため経験の蓄積は難しい。当患者の経験は貴重であり、今後も厳重な経過観察が必要である。