第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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5.悪性腫瘍・病理

[P05-21] 口腔扁平上皮癌一次症例における臨床的節外浸潤(N3b)の臨床病理組織学的検討

〇唐木田 一成1、星元 康嵩1、濱田 裕嗣1、高橋 美穂1、関根 理予1 (1.東海大学 医学部 付属八王子病院)


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はじめに

2018年に頭頸部癌取扱い規約が改訂された。従来は腫瘍の解剖学的な広がりをもとに分類がなされていたが、予後予測に重点を置いた分類に変更がなされたのが特徴である。その中に頸部リンパ節転移の分類に臨床的節外浸潤(以下N3b)が追加された。今回、我々は口腔扁平上皮癌一次症例において再分類を行いN3bと診断され、手術標本から病理組織学的に節外浸潤の有無を評価出来た症例を対象とし、関連性について検討を行った。



対象と検討方法

対象は2006年4月から2020年10月までに当科で加療を行った口腔扁平上皮癌一次症例の内、再分類を行いN3bと診断した12例である。検討方法はN3bと診断した根拠(皮膚浸潤、下層の筋肉もしくは隣接構造に強い固着や結合を示す軟部組織の浸潤、神経浸潤の臨床症状の有無)ついて検討した。また病理組織学的節外浸潤(ENE: extranodal extension)の有無と関連性について検討を行った。



結果

N3bの診断根拠は4例が皮膚浸潤を認め、下層の筋肉もしくは隣接構造に強い固着や結合を示す軟部組織の浸潤は全例に認めた。そして神経浸潤の臨床症状は2例に認めた。これら複数の症状を認めたものは6例であった。この内、切除標本から病理組織学的に節外浸潤を認めたのは9例であった。



考察

N3bと診断した場合、多くは病理組織学的にも節外浸潤を認めた。この結果は予後予測に重点を置いた今回の改訂に合致するものと考えられた。