第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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5.悪性腫瘍・病理

[P05-24] T1・T2舌扁平上皮癌における原発巣切除断端の検討

〇松井 太輝1、米田 亜紀子1、廣田 純也1、重田 崇至1 (1.兵庫県立がんセンター)


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【目的】舌癌の切除断端に癌を認める場合は追加治療が推奨されるが,断端に上皮性
異形成(OED)を認める場合の臨床的対応には一定のコンセンサスがない.今回われわ
れは舌癌の原発巣切除断端について検討したので報告する.【対象】対象は2008年1
月〜2019年12月までに当科を受診した口腔癌759例のうち,手術加療した舌扁平上皮
癌T1・T2の180例である(UICC第8版).切除断端5mm以上を断端陰性とした.【結果
】1)原発巣再発は4/180例(2.2%)であった.2)断端陰性は113/180例(62.8%)であ
った.113例中2例に原発巣再発を認め,予後は遠隔担癌生存と腫瘍死であった.3)S
CC断端陽性は認めず,SCC近接は31/180例(17.2%)で全例原発巣再発を認めなかった
.4)CIS断端陽性は2/180例(1.1%)認め,いずれも術後追加切除を施行し,原発巣
再発を認めなかった.CIS近接は7/180例(3.9%)認め,全例原発巣再発を認めなかった
.5)OED断端陽性は9/180例(5.0%)認め,断端部の上皮異形成のGradeはHigh grade
が1例,Low gradeが8例であった.High gradeの症例が術後8年5か月で原発巣再発を
認めた.断端OED近接は18/180(10.0%)認め,OED断端部は全例Low gradeであった.
1例に術後7年10か月で原発巣再発を認めた. 【結論】CIS断端陽性に追加切除を施行
し良好な結果を得た.切除断端にHigh grade のOEDを認める場合は追加切除が推奨さ
れる.断端陰性にも関わらず原発巣再発を認めた2例の予後は悪かった.