第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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7.周術期管理・検診

[P07-01] 当院における周術期等口腔機能管理の現状と課題について

〇矢尾 真弓1、小畑 協一2、岸本 晃治2、西山 明慶2、佐々木 朗2 (1.津山中央病院 歯科口腔外科、2.岡山大学大学院医歯薬学総合研究科口腔顎顔面外科学分野)


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【緒言】

周術期等口腔機能管理は,悪性疾患や循環器系など手術,放射線治療,化学療法,緩和ケアを実施する患者に対し口腔環境を整えることで,周術期における肺炎等の感染性合併症を予防する効果があるだけでなく,摂食嚥下機能の改善等QOLの向上にも関与しているとされている。そこで今回,当院で介入している周術期等口腔機能管理患者の現状と課題について検討を行ったのでその概要を報告する。

【対象】

対象は,2017年4月から2020年3月の3年間の間で,当科を受診した患者1505名で診療録をもとに現状および治療状況を後ろ向きに調査した。

【結果】

周術期等口腔機能管理Ⅰ・Ⅱで介入した患者は1152名,周術期等口腔機能管理Ⅲで介入した患者は353名であった。年齢は3歳から97歳で平均年齢は70.3歳であった.男女別内訳は,男性761名(50.6%),女性744名(49.4%)であった。疾患別では,消化器系598名(39.7%),呼吸器系182名(12.1%),循環器系251名(16.7%)の順であった。処置は口腔清掃および衛星指導が主であるが,カンジダ,口腔粘膜炎,顎骨壊死などの疾患に対する歯科処置も認めていた。

【結論】

周術期口腔機能管理は医科歯科連携による患者主体のチーム医療である。周術期口腔機能管理の効果的な介入と周術期以降の継続的口腔管理のためには,医科歯科連携が非常に重要であり,さらに患者にとってより良い周術期が過ごせるよう,積極的に多職種間, 多施設間で患者の全身状態, 精神状態, 社会的背景, 原疾患の治療と予後などの情報を共有して計画的かつ効率的に行うことが重要であると考えられた。