第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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7.周術期管理・検診

[P07-05] 山口県光市における口腔がん検診の検討

〇内田 堅一郎1、竹縄 隆徳1、野田 健人1、三島 克章1 (1.山口大学大学院 医学系研究科 歯科口腔外科学講座)


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【目的】

 山口県光市では、2013年より光市と光市歯科医師会の協力事業として無料口腔がん検診を定期的に開催している。同検診では、山口大学歯科口腔外科の歯科医師が業務委託され診察を担当している。今回、われわれは同検診の受診者について検討したので報告する。

【対象および方法】

 2013年6月より2019年12月の間に口腔がん検診を受診した1181名を検討の対象とした。市報で定期的に口腔がん検診の開催を告知し、50歳以上の光市民を対象として受診希望者を募集した。受診者を、検診時に異常なし、要経過観察および要精査に分けて診断した。

【結果】

 口腔がん検診の受診者は、60歳代と70歳代が多かった。1181名の受診者の中で、1058名(90%)が異常なし、80名(7%)が要経過観察、43名(3%)が要精査と診断された。また、要精査と診断された症例は12例が白板症、10例が良性腫瘍により診断および治療が必要となった症例であり、口底癌の症例を1例認めた。

【考察および結論】

 口腔がん検診は、前癌病変や口腔がんのみならず、検査または治療が必要な口腔粘膜疾患を発見する上でも有用であった。口腔がん患者を早期発見するために、口腔がん検診の受診率上昇と、口腔がんに関する啓蒙を行う必要があると考えられた。