第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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9.悪性腫瘍・ゲノム

[P09-03] CRTC1/3-MAML2融合遺伝子の有無による粘表皮癌のsignal pathwayの比較検討

〇吉田 和功1、野口 一馬1、大森 雄司1、神田 修治2、吉川 恭平1、山根木 康嗣3、高岡 一樹1、岸本 裕充1 (1.兵庫医科大学 歯科口腔外科学講座、2.宝塚市立病院 歯科口腔外科、3.兵庫医科大学 病理学講座病理診断部門)


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【目的】唾液腺腫瘍の発生には特異的な融合遺伝子が関与することが示唆されている。粘表皮癌(MEC) においては40〜80%の頻度で認められるCRTC1/3-MAML2融合遺伝子が発生に関与するが、他の遺伝子発現や下流シグナルとの関係性は明らかではない。われわれはMEC患者由来の培養細胞(HCM-MEC010)および2例のMEC患者から採取した腫瘍組織(HCM-MEC020T、030T)を用いて、既知遺伝子の発現を比較検討した。【対象および方法】 いずれも病理組織学的にはLow-grade MECであった。培養細胞、腫瘍組織よりそれぞれTotal RNAを抽出し、RT-PCRで融合遺伝子の有無を確認した。 さらにRNA-Seqによって既知遺伝子の発現解析を行い、各上位500が関与するsignal pathwayを比較した。【結果】HCM-MEC010、020TはCRTC1-MAML2陽性で、HCM-MEC030TはCRTC1/3-MAML2陰性であった。いずれのサンプルにおいても、遺伝子数ではPI3K-Aktに関与するものが最も多く検出された。【考察】MECにおいてはCRTC1-MAML2融合遺伝子の有無に関わらず、PI3K-Akt signal pathwayの活性化が腫瘍増殖に関与することが示唆された。