[P09-09] 中間径フィラメント関連タンパク質Plectinは悪性黒色腫の増殖,移動,接着・凝集を制御する
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<目的>悪性黒色腫は粘膜や皮膚に発生し,早期から増殖するため予後が悪い。Plectin はいくつかのがんに関与することが知られているが,悪性黒色腫との関連は不明である。そこで本研究では,悪性黒色腫細胞を用いてPlectinの機能を検討した。
<方法・結果>まず,B16細胞にCRISPR/Cas9システムを用いて,Plectin遺伝子欠損細胞(PKO)を作製した。WST1 assayおよびリアルタイムPCR法を行い,細胞増殖能を検討した。その結果, PKOは,WST1assayで増殖した細胞数の減少,リアルタイムPCRでCyclinD1の発現量の低下を認めた。次に,Scratch assayではPKOの細胞移動量は減少していた。また,フィブロネクチンをコーティングしたディッシュに細胞を播種し,細胞接着能を検討した結果,PKOは接着した細胞数が減少していた。さらに,Hanging Drop によるスフェロイドの形成を評価したところ, PKOは,細胞間隙が広がり,見かけ上細胞塊は大きくなっていた。最後に,マウスにB16細胞を接種し,腫瘍を形成した。その結果,摘出した腫瘍の大きさに差は認められなかったが,PKOは,腫瘍の密度が減少し,腫瘍細胞間隙が広がっていた。
<結論>Plectinは悪性黒色腫細胞の増殖や移動,接着・凝集に制御する。
<利益相反>利益相反はありません。