第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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メディカルスタッフセッション

[P12-01] 当院口腔がんセンターでの顎顔面補綴治療における歯科衛生士の役割

〇田村 彩織1,2、小島 沙織1,2、大屋 朋子1、中澤 和真3、石井 悠佳里3、鈴木 大貴2、大金 覚2、中島 純子4、石崎 憲5、野村 武史2,6、松浦 信幸4 (1.東京歯科大学市川総合病院 歯科・口腔外科、2.東京歯科大学 口腔がんセンター、3.東京歯科大学 老年歯科補綴学講座、4.東京歯科大学 オーラルメディシン・病院歯科学講座、5.国際医療福祉大学 医学部 歯科・口腔外科学講座、6.東京歯科大学 口腔腫瘍外科学講座)


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【緒言】当院口腔がんセンターには専任歯科衛生士が配属されており、口腔癌治療中に留まらず顎顔面補綴治療時の口腔衛生管理にも努めている。今回、口腔癌術後に広範囲顎骨支持型補綴装置を用いて治療を行った患者に対し、歯科衛生士が術前から継続して口腔健康管理を行った症例について報告する。
【症例】78歳男性。上顎歯肉癌(T4aN0M0)のため、右側上顎犬歯から左側上顎大臼歯部に至る広範な顎骨切除が行われた。3年後、ザイゴマインプラントを埋入し、広範囲顎骨支持型補綴装置にて口腔機能の回復が図られた。歯科衛生士は周術期、顎補綴装置の装着前後、インプラント埋入前後と継続して介入し、口腔健康管理に努めた。口腔癌の診断から顎補綴治療まで歯科衛生士が継続した口腔健康管理を行ったことで、安定した口腔衛生状態を保つことが可能であった。
【考察】術後の口腔内と複雑な形態の顎義歯の管理を、患者のみで行うことは極めて困難である。歯科衛生士が適切な時期に適切な口腔健康管理を実施することは、良好な口腔衛生状態の維持だけでなく、顎顔面補綴装置の永続的な使用にも繋がると思われる。顎顔面補綴治療が必要となる患者の精神面のサポートを行うことも歯科衛生士の担う重要な役割であるため、今後も患者に寄り添った口腔健康管理に努めていきたい。