The 39th Annual Meeting of Japanese Society of Oral Oncology

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口腔がん登録説明会ならびに経過報告会

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口腔がん登録説明会ならびに経過報告会

[RL-01] 口腔がん登録説明会ならびに経過報告会

〇Kazuki Hasegawa1 (1.Department of Oral and Maxillofacial Surgery, Shizuoka City Hospital)

(公社)日本口腔外科学会・口腔外科疾患調査委員会委員長  中村 誠司

(一社)日本口腔腫瘍学会・口腔がん登録委員会委員長   長谷川 和樹



がん登録とは、がんの罹患数や転帰などの状況を把握・分析する仕組みであり、がん罹患率、がん生存率、治療効果などのがん対策の基礎となるデータを把握するために重要なものである。2016年1月から「全国がん登録」制度が始まり、がん患者が全国のどこの医療機関を受診しても、そのデータが都道府県に設置された「がん登録室」を通じて集められ、国のデータベースで一元管理されるようになった。

日本口腔外科学会と日本口腔腫瘍学会においても、口腔外科における口腔がん診療の実態、さらには治療成績などの診療実績を把握できないかと考え、両学会の共同事業として、日本口腔外科学会の認定研修施設を対象とした「口腔がん登録」を2018年1月より開始した。その際、2018年は登録を義務とはせずに開始したが、2019年からは日本口腔外科学会の認定研修施設、日本口腔腫瘍学会の口腔がん専門医指定研修施設ともに登録が義務化された。その結果、総登録症例数は、2018年が2,728例であったものが、2019年には4,029例に増加し、口腔外科における口腔がん診療の実績をより正確に把握できたと考えている。

なお、本登録の事務局およびデータ収集センターは信州大学付属病院臨床研究支援センターに外部委託し、同センターが所属している大学病院臨床試験アライアンスの臨床研究支援システム(ACReSS)を利用してデータ収集ならびに解析を行っている。各認定研修施設は倫理審査を受けることが必要で、各症例のデータを登録する際には個人識別ができないように連結可能匿名化を施し、さらに登録後は連結化に必要な情報を厳重に保管する必要がある。以上のように、可及的平易に登録ができるように努めており、登録自体は難しいものではないが、データの提出や管理には細心の注意が必要である。

今回の説明会では、「口腔がん登録」の重要性や必要性、信州大学臨床研究支援センターとの連携や登録の流れ、調査項目を説明するとともに、2018年と2019年の口腔がん登録データの集計についても報告する予定である。今回の我々の説明により、「口腔がん登録」についての理解がさらに深まり、開始された本事業を円滑に遂行できるよう、多くの先生方のご協力をいただければ幸いである。