The 39th Annual Meeting of Japanese Society of Oral Oncology

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学術セミナー4(共催:富士フィルム富山化学株式会社)

[SS4-01] Sponsored 4

〇Sekiya Hideki1 (1.Toho University)

【略歴】
1992年3月 東京医科歯科大学歯学部卒業
1994年4月 鶴見大学歯学部助手(口腔外科学第1講座)
2005年3月 博士(歯学)
2005年8月 東邦大学医学部講師(口腔外科学)
2011年4月 東邦大学医療センター大森病院口腔外科部長 現職
2011年6月 東邦大学医学部准教授(口腔外科学)現職
2011年8月 東邦大学医療センター大森病院栄養治療センター副部長(嚥下障害対策チーム長)現職
2011年11月 東邦大学医療センター大森病院中央手術部周術期センター口腔機能管理部門担当 現職
2012年4月 東邦大学医学部教育コーディネーター 大学院医学研究科併任 現職
2014年8月~ ドイツFreiburg大学顎顔面外科学手術留学
2014年10月 東邦大学医療センター大森病院がんセンターがん口腔機能管理部長 現職
現在に至る
所属学会・資格
日本口腔外科学会(代議員、指導医、専門医、専門医認定委員会委員)、日本口腔科学会(代議員、指導医、認定医)、日本顎顔面補綴学会(理事、会則検討委員長、選挙管理委員長、代議員、認定医)、日本口腔腫瘍学会(代議員)、日本顎顔面インプラント学会(評議員・感染対策委員)、日本歯科麻酔学会(認定医)、日本静脈経腸学会(学術評議員)、日本摂食嚥下リハビリテーション学会、国際口腔顎顔面外科学会、がん治療認定医機構暫定教育医 日本歯科医師会産業歯科医 日本麻酔学会周術期管理チーム委員 日本緩和医療学会緩和ケア講習修了 大森歯科医師会医療管理委員会委員 他
著書
標準口腔外科学(第3版)、口腔外科専門医マニュアル、Atlas of Oral & Maxillofacial Rehabilitation 、嚥下障害の臨床マネジメント(対訳)、周術期口腔機能管理の基本がわかる本、日本麻酔科学会編・周術期管理チームテキスト、口の中がわかるビジュアル口腔読本、他多数
論文(受賞)
食塊の口腔内残留に着目した摂食試験食品の物性選択 ~舌・口底・下顎歯肉腫瘍切除再建患者に対する機能評価~,日口外誌51:18-26, 2005(学会論文賞)
口腔悪性腫瘍術後の摂食嚥下障害に対する舌接触補助床を用いた機能回復法の検討~第1報:舌接触補助床使用群と非使用群の術後状態における比較~.顎顔面補綴32(2): 48-53, 2009(学会論文賞)

教育
鶴見大学歯学部顎顔面外科学講座非常勤講師(現職)
昭和大学歯学部歯周病学教室客員講師(現職)
東京医科歯科大学歯学部口腔保健学科非常勤講師(現職)
新東京歯科衛生士専門学校教育課程編成委員(現職)
東邦大学看護学部兼担講師(現職)
周術期等口腔機能管理料(Ⅲ)は、がん等に係る放射線治療若しくは化学療法を実施している患者(予定している患者を含む。)又は緩和ケアの対象となる患者であって(中略)管理計画書に基づき、歯科医師による必要な口腔機能の管理を行った場合に算定する(2019年度改訂)、と保険収載されている。

CTCAEv5.0-JCOGに記載がある口腔関連の有害事象は、齲歯、口内乾燥、口腔粘膜炎、口腔内出血、歯周病、カンジダ(日本語定義:口腔粘膜表面のカンジダ感染が疑われる)、歯感染、顎骨壊死、開口障害などである。その中で、口腔乾燥症、口腔粘膜炎、口腔カンジダ症は、味覚などの感覚器としての口腔を脅かし、経口摂取におけるQOLを著しく低下させる。がん化学放射線治療完遂を妨げ、治療成績を低下させる可能性がある。

今回は、周術期口腔機能管理(Ⅲ)実施時における、口腔カンジダ症関連の管理について、演者の臨床からの経験に基づき、口腔乾燥の改善と薬物療法の効果、日常における口腔管理などに焦点を絞り、お話しする予定である。

口腔カンジダ症は、いわゆる日和見感染によって起きる口腔内の真菌感染症である。口腔カンジダ症は、臨床的には経過および症状により、急性偽膜性カンジダ症、急性紅斑性(萎縮性)カンジダ症、慢性肥厚性カンジダ症、慢性紅斑性(萎縮性)カンジダ症の4型に分類される。口腔乾燥症との関連性も深い。反復する口腔カンジダ症が、シェーグレン症候群と診断され、薬物療法後に改善した症例もある。口腔乾燥と抗真菌薬の効果についての後方視的な研究についても言及し、本学術大会の趣旨である「わかっていること、わからないこと(これから調べなければならないこと)」を解説する。
さらに、転移性肝がん緩和ケア時に発症した舌カンジダ症の症例を供覧しながら、緩和ケア時における口腔管理の意義についてもふれる。