第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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[VS-05] Partial maxillary swing approach

〇原田 浩之1 (1.東京医科歯科大学 顎口腔外科学分野)

【略歴】
1991年 北海道大学歯学部卒業
北海道大学歯学部口腔外科学第一講座入局
1999年 千葉県がんセンター頭頸科 
2001年  東京医科歯科大学 顎口腔外科 医員
2001年  東京医科歯科大学 顎口腔外科学分野 助手
2007年  同上 講師
2010年  同上 准教授
2015年  同上 教授
Partial maxillary swing approachは、 1986年Altemirにより上顎骨後壁、鼻腔後方、軟口蓋病変に対するアプローチ法として報告され、以後Wei やSumiらにより術式が改良された。

今回、上顎臼歯部歯槽から上顎洞後壁に至る病変に対して、Partial maxillary swing approachを行なった症例を供覧する。

【症例】33歳男性. 2018年12月右側鼻閉を主訴に前医を受診した。鼻内から生検を施行し、fibro-osseous lesionの診断を得た。同医院の紹介により、2019年2月当科を初診した。

顔貌は左右対称で、右側上顎臼歯歯槽部に骨様硬の膨隆を認めた。CTにて、同部より上顎骨後壁に沿って辺縁不正な石灰化病変を認めた。病変は上方は眼窩底に接し、中鼻道を圧排していた。

2019年4月に手術を行なった。Weber-Fergusonとsubciliary切開を加え、上顎骨前壁をswingさせ、上顎洞後壁の腫瘍を切除した。なお中・下鼻道は開放した。欠損部に植皮を行った後、上顎骨前壁を復位させ、プレート固定した。

術後経過は良好で、顎義歯装着により、咀嚼・構音機能ともに満足した結果が得られている。