[I-O-03] 姑息術を受けた18トリソミー児の予後
キーワード:trisomy 18, palliative surgery, congenital heart disease
【背景】18トリソミー児に合併する疾患の治療方針はこの数十年で大きく変遷している。先天性心疾患も例外ではなく、外科治療は増加傾向にある。初回手術には姑息術が行われることが多い。
【目的】先天性心疾患に対して姑息術を受けた18トリソミー児の生命予後について検討する。
【方法】2006年4月から2014年12月に当院で先天性心疾患に対して初回に姑息術を受けた18トリソミー23例のうち、follow upが可能であった18例を対象とした。姑息術の決定は、医学的判断かつ家族の希望に基づき行われた。
【結果】心疾患はすべて肺血流増加性疾患であり、mPAbanding 15例、bil. PA banding 3例、PDA clip/ligation 12例に施行された。初回手術の体重は中央値1.8kg(1.4-2.4kg)、日齢42日(5-170日)であった。周術期合併症ではLOSによる死亡1例、横隔神経麻痺1例を認めた。
観察期間 16か月(6-50か月)の中で、18例のうち6例(33%)が生存していた。6か月・12か月・24か月生存率は88%、77%、44%であった。観察期間中、低酸素血症に苦慮している症例は1例もなかった。
12例の死亡原因の内訳は、不整脈2例・心不全1例・感染症2例・呼吸不全4例・痙攣重積1例・周術期死亡1例・不明1例であった。根治術は3例(17%)のみに行われていた。
【考察】18トリソミー児に対する姑息術の後、根治術を行ったのは17%にとどまった。一方で姑息術のまま長期生存した例を多く認めた。体重増加が緩慢で低酸素血症に苦慮しない症例が多いためと考えられた。
18トリソミー児の死亡原因が多岐に渡ることや児の長期予後を考慮すれば、先天性心疾患に対する介入は姑息術にとどめるのが妥当なのかもしれない。
【目的】先天性心疾患に対して姑息術を受けた18トリソミー児の生命予後について検討する。
【方法】2006年4月から2014年12月に当院で先天性心疾患に対して初回に姑息術を受けた18トリソミー23例のうち、follow upが可能であった18例を対象とした。姑息術の決定は、医学的判断かつ家族の希望に基づき行われた。
【結果】心疾患はすべて肺血流増加性疾患であり、mPAbanding 15例、bil. PA banding 3例、PDA clip/ligation 12例に施行された。初回手術の体重は中央値1.8kg(1.4-2.4kg)、日齢42日(5-170日)であった。周術期合併症ではLOSによる死亡1例、横隔神経麻痺1例を認めた。
観察期間 16か月(6-50か月)の中で、18例のうち6例(33%)が生存していた。6か月・12か月・24か月生存率は88%、77%、44%であった。観察期間中、低酸素血症に苦慮している症例は1例もなかった。
12例の死亡原因の内訳は、不整脈2例・心不全1例・感染症2例・呼吸不全4例・痙攣重積1例・周術期死亡1例・不明1例であった。根治術は3例(17%)のみに行われていた。
【考察】18トリソミー児に対する姑息術の後、根治術を行ったのは17%にとどまった。一方で姑息術のまま長期生存した例を多く認めた。体重増加が緩慢で低酸素血症に苦慮しない症例が多いためと考えられた。
18トリソミー児の死亡原因が多岐に渡ることや児の長期予後を考慮すれば、先天性心疾患に対する介入は姑息術にとどめるのが妥当なのかもしれない。