第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般口演

1-05 画像診断

一般口演-2
心エコー

Thu. Jul 16, 2015 1:50 PM - 2:40 PM 第4会場 (1F ジュピター)

座長:
豊野 学朋 (秋田大学大学院)
早渕 康信 (徳島大学大学院)

I-O-06~I-O-10

[I-O-07] 新しい指標による右室機能解析 -肺動脈弁輪部運動速度を用いた右室流出路機能評価-

早渕 康信, 阪田 美穂, 香美 祥二 (徳島大学大学院 小児医学分野)

Keywords:右室機能, 右室流出路, 肺動脈弁輪運動速度

【背景】右室機能評価は四腔断面像における三尖弁輪部運動速度, TAPSE, Longitudinal strainなど長軸方向の解析の報告が多い。しかし、右室の形態は複雑であり一方向のみの計測では評価されない部位が存在する。また、長軸方向の評価が適さない疾患もある。【目的】右室流出路の収縮能および拡張能評価における肺動脈弁輪部運動速度の有用性を検討する。【方法】右室流出路長軸断面像を描出し、肺動脈弁輪部運動速度を組織ドプラ法で記録した。正常群40例、心房中隔欠損症(ASD)群15例、肺高血圧症(PAH)群6例、ファロー四徴症術後(TOF)群32例を比較検討した。【結果】肺動脈弁輪部運動速度は全症例において2峰性の収縮期波(S1, S2)と拡張期の2波(e', a')が確認できた。ASD群ではS1, S2は正常群より有意に上昇していた(15.0±2.4 vs 11.2±2.1 および 6.0±0.9 vs 4.4±1.2 cm/s; p<0.01)。PAH群, TOF群ではS2の有意な低下が認められ(3.2±0.4 および 3.4±1.4cm/s)、三尖弁輪部運動速度よりも鋭敏に異常を評価できた。PAH群, TOF群では、e'も正常群に比較して有意に低下していた(各々6.8±1.6, 3.2±0.4 vs 11.9±1.9cm/s, p<0.001)。【考察】ASD群では前負荷増加のために各波形増高が認められた。PAH群、TOF群では右室圧負荷や右室流出路再建術による心筋障害の影響で右室流出路機能低下があると考えられた。【結語】右室圧負荷例や手術後例では右室流出路の機能評価に肺動脈弁輪部運動速度の計測が有用である。