[I-O-19] フォタン到達を目指して、TAPVD修復時期の検討
Keywords:総肺静脈還流異常, フォンタン, 単心室
【目的】
TAPVDを合併する単心室疾患群の治療はいまだ困難である。今回当院においてフォンタン循環を目指しTAPVD修復術を行った症例について検討を行った。
【方法】
1995年から2015年までの間に当院においてフォンタン手術を目指してTAPVD修復術を対象とした。手術時期、結果、術後経過について後方視的に検討を行った。
【結果】
29例にTAPVD修復術を施行した。無脾症候群を22例に認めた。全体での手術時年齢 中央値150日(1-8530日)であった。上心臓型 18例、心臓型 2例、下心臓型 6例、混合型3例であった。PVOにて新生児期にTAPVD修復術施行したものが8例、新生児期以後乳児期にTAPVD修復術をしたものが12例(5例は術前PVO)、1歳以上でTAPVD修復術を施行したものが9例(1例術前PVO)であった。手術成績は新生児期は8例中2例(13%)が耐術。乳児期手術は12例中10例(83%)が耐術、1歳以上では9例中6例(67%)が耐術であった。新生児期手術には全例肺血流コントロールが必要で、RVPA conduit 5例、BT shunt 1例、PAB 1例、MAPCA結紮1例であった。4例に補助循環を使用した。5例がLOSで死亡、1例が敗血症で死亡した。1例がフォンタン到達。乳児期手術例は7例に先行手術施行、BT shunt 5例、PAB 2例であった。2例がフォンタン到達、2例がフォンタン待機中であるが、残りの8例はフォンタ手術の適応から外れている。1歳以降手術例9例中8例が2000年以前の手術であり、6例が1期的フォンタン手術施行。手術死亡例はみられなかったが、遠隔死亡を3例認めた。
【結語】
新生児期TAPVD修復術の成績は不良であり、乳児期以後の修復術は生存率では許容できるが、良好なフォンタン循環のためには今後も治療戦略の再考が必要である。
TAPVDを合併する単心室疾患群の治療はいまだ困難である。今回当院においてフォンタン循環を目指しTAPVD修復術を行った症例について検討を行った。
【方法】
1995年から2015年までの間に当院においてフォンタン手術を目指してTAPVD修復術を対象とした。手術時期、結果、術後経過について後方視的に検討を行った。
【結果】
29例にTAPVD修復術を施行した。無脾症候群を22例に認めた。全体での手術時年齢 中央値150日(1-8530日)であった。上心臓型 18例、心臓型 2例、下心臓型 6例、混合型3例であった。PVOにて新生児期にTAPVD修復術施行したものが8例、新生児期以後乳児期にTAPVD修復術をしたものが12例(5例は術前PVO)、1歳以上でTAPVD修復術を施行したものが9例(1例術前PVO)であった。手術成績は新生児期は8例中2例(13%)が耐術。乳児期手術は12例中10例(83%)が耐術、1歳以上では9例中6例(67%)が耐術であった。新生児期手術には全例肺血流コントロールが必要で、RVPA conduit 5例、BT shunt 1例、PAB 1例、MAPCA結紮1例であった。4例に補助循環を使用した。5例がLOSで死亡、1例が敗血症で死亡した。1例がフォンタン到達。乳児期手術例は7例に先行手術施行、BT shunt 5例、PAB 2例であった。2例がフォンタン到達、2例がフォンタン待機中であるが、残りの8例はフォンタ手術の適応から外れている。1歳以降手術例9例中8例が2000年以前の手術であり、6例が1期的フォンタン手術施行。手術死亡例はみられなかったが、遠隔死亡を3例認めた。
【結語】
新生児期TAPVD修復術の成績は不良であり、乳児期以後の修復術は生存率では許容できるが、良好なフォンタン循環のためには今後も治療戦略の再考が必要である。