[I-O-24] フォンタン術後小児における臨床で使用される心拍出量測定法5種類の特性
キーワード:心拍出量, 計測法, 誤差因子
【背景】正確かつ簡便な心拍出量(CI)測定は、フォンタン循環の管理・評価のために重要である。スワン・ガンツカテーテルを用いた熱希釈法が適用し難い小児で、MRIによるCI測定は、ゴールド・スタンダードに近いが、他の測定機器と同時計測・比較検証が難しい。非侵襲的測定法が種々あるが、その特性の総合関係は明確でない。
【目的】5種類のCI測定法を比較検討し、信頼性と使用上の留意点を検討すること。
【方法】心臓カテーテル評価を行ったフォンタン術後33例。年齢3.2-20、平均7.9歳。Fick法、ICG注入(色素希釈法、DDGアナライザー使用)、UCG(大動脈径、大動脈VTI測定)、エスクロン(電気的速度測定法)、MRI(Phase contrast法)の5種類で測定した。MRI以外は心カテ中に計測し、MRIは後日、異なる鎮静状態で計測した。基準としてFick-CIを用い、後4者との関係を検討した。バイアスについての検討はBland-Altman解析を、後4者とFick-CIの差を生じる因子についての検討はステップワイズ法による多変量解析を用いた。
【結果】ICG、UCG、エスクロン、MRIとFickとのバイアスと95%信頼区間はそれぞれ、-1.0(-3.4, 1.4)、1.5(-2.5, 5.4)、-0.63(-2.0, 0.7)、0.61(-0.5, 1.7)であり、ICG, UCGで大きな誤差を示した。年齢とQp/Qsが低いほどICG-CIは過小評価を示した。年齢とCI自体が低いほどUCG-CIは過大評価を示した。エスクロンCIは、SaO2と心拍数が低いほど、またCI自体が高いほど過小評価した。MRIは後日施行だがFickとの差が最小で、差を規定する因子は見当たらなかった。
【考察】各CI測定法に内在する検査特性を把握することで、それぞれの検査法の長所を最大限に活用できるため、こうした特性を踏まえた解釈と運用が重要と考えられる。
【目的】5種類のCI測定法を比較検討し、信頼性と使用上の留意点を検討すること。
【方法】心臓カテーテル評価を行ったフォンタン術後33例。年齢3.2-20、平均7.9歳。Fick法、ICG注入(色素希釈法、DDGアナライザー使用)、UCG(大動脈径、大動脈VTI測定)、エスクロン(電気的速度測定法)、MRI(Phase contrast法)の5種類で測定した。MRI以外は心カテ中に計測し、MRIは後日、異なる鎮静状態で計測した。基準としてFick-CIを用い、後4者との関係を検討した。バイアスについての検討はBland-Altman解析を、後4者とFick-CIの差を生じる因子についての検討はステップワイズ法による多変量解析を用いた。
【結果】ICG、UCG、エスクロン、MRIとFickとのバイアスと95%信頼区間はそれぞれ、-1.0(-3.4, 1.4)、1.5(-2.5, 5.4)、-0.63(-2.0, 0.7)、0.61(-0.5, 1.7)であり、ICG, UCGで大きな誤差を示した。年齢とQp/Qsが低いほどICG-CIは過小評価を示した。年齢とCI自体が低いほどUCG-CIは過大評価を示した。エスクロンCIは、SaO2と心拍数が低いほど、またCI自体が高いほど過小評価した。MRIは後日施行だがFickとの差が最小で、差を規定する因子は見当たらなかった。
【考察】各CI測定法に内在する検査特性を把握することで、それぞれの検査法の長所を最大限に活用できるため、こうした特性を踏まえた解釈と運用が重要と考えられる。