第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般口演

1-11 心不全・心移植

一般口演-5
心不全

Thu. Jul 16, 2015 9:00 AM - 9:50 AM 第5会場 (1F アポロン A)

座長:
白石 裕比湖 (城西病院)
星合 美奈子 (山梨大学)

I-O-21~I-O-25

[I-O-25] 先天性心疾患の心不全症例に対するpacing studyの有用性

西村 智美, 豊原 啓子, 宮本 健志, 島田 衣里子, 清水 美妃子, 竹内 大二, 石井 徹子, 稲井 慶, 篠原 徳子, 富松 宏文, 中西 敏雄 (東京女子医科大学 循環器小児科)

Keywords:ペーシング, 心不全, 先天性心疾患

【背景】心機能低下のある先天性心疾患(CHD)に対するペーシングデバイス治療を施行するのに心内構造上、開胸を要することがまれではない。よって開胸に伴うリスクを上回る利益が得られるかを検討するため、当科ではpacing studyを行っている。【目的】pacing studyの有用性を検討する。【対象】心機能低下があり、当院でpacing studyを施行した12例中、デバイス植込みを行った6例を対象とした。除外した6例は、待機5例と他院で植込みした1例。植込み時年齢20歳[2-37歳]、植込み後観察期間11か月[4-45か月]。原疾患はccTGA 2例、complete TGA 1例、TA 1例、左室性単心室 2例。既往手術は、Glenn術後 1例、Fontan術後 2例、Mustard術後 1例、三尖弁置換術後1例。徐脈に対しペースメーカー使用3例。【方法】studyは、ペーシングカテーテルを心房に1本、各心室に1本ずつ(単心室は2本)留置し、心房、心房-心室、心房-両心室ペーシング各々で、心拍出量、体血圧、静脈圧、QRS幅、エコーでvelocity time integral、房室弁逆流の程度等の評価を行った。それを元にペーシングモードを選択、植込み後の効果を評価した。【結果】全例dyssynchonyを認めた。推奨されるモードは、5例はCRT、1例はAAIであった。導入前後の変化は、NYHAは2.8→1.7 (P<0.05)、CTRは60±4%→56±4%(P<0.05)、EFは30±3%→38±4%(P<0.05)、QRS幅は162±22msec→144±16msec、BNPは604±274pg/ml→217±71pg/mlと改善傾向であった。心不全による再入院はなく、死亡例もなしであった。【まとめ】pacing studyは、その結果をもとにモードを選択することにより、必要最小限の侵襲でデバイス治療を開始することが可能となるため、有用な検査である。