[I-O-34] 小児右心不全における血漿アルドステロン測定の意義
Keywords:アルドステロン, 右心室, BNP
【背景】現在、心不全評価の指標としては年齢を問わず、BNPが頻用されている。しかし、先天性心疾患の臨床においては、特に右心室優位の循環において、必ずしもBNPが病勢を反映しないことがしばしば経験される。
【方法】平成26年1月から12月の1年間で、当院小児科で心臓カテーテル検査を施行した140例の内、緊急カテや低体重などの理由で主治医が不適と判断した症例を除く107例において、レニン・アルドステロン・カテコラミン三分画(アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミン)を測定した。測定は、カテーテル検査室に入室後、鎮静を行って30分以上経過し、患者のバイタルサインが十分に安定したと思われた段階で、検査開始前に静脈シースより血液を採取して行った。
【結果】患者の年齢は63.6±63.0か月、男児が62例であった。血漿アルドステロン濃度は759.2±1238.6pg/mlであった。レニンとアルドステロンとの間には弱い相関を認め(R2=0.4735)、カテコラミン三分画の間にもそれぞれR2=0.6程度の弱い相関が認められたが、これらとBNPとの間には相関が認められなかった。アルドステロンが1000以上の異常高値を示したのは21例であり、これらの症例を検討すると、右室型単心室3例・左心低形成類縁疾患2例・両大血管右室起始症4例・右室有意の房室中隔欠損症・肺動脈弁欠損を含むファロー四徴症3例など、右心室に有意な容量・圧負荷をきたしている患者が16例含まれており、1000以下の群と比較して明らかな偏りが認められた。
【考察】右心室特異的な心不全の指標は現時点では発見されていない。現時点ではpreliminaryな検討であるが、今後右心室負荷とアルドステロン分泌とのメカニズムを含めて検討を進めていく予定である。
【方法】平成26年1月から12月の1年間で、当院小児科で心臓カテーテル検査を施行した140例の内、緊急カテや低体重などの理由で主治医が不適と判断した症例を除く107例において、レニン・アルドステロン・カテコラミン三分画(アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミン)を測定した。測定は、カテーテル検査室に入室後、鎮静を行って30分以上経過し、患者のバイタルサインが十分に安定したと思われた段階で、検査開始前に静脈シースより血液を採取して行った。
【結果】患者の年齢は63.6±63.0か月、男児が62例であった。血漿アルドステロン濃度は759.2±1238.6pg/mlであった。レニンとアルドステロンとの間には弱い相関を認め(R2=0.4735)、カテコラミン三分画の間にもそれぞれR2=0.6程度の弱い相関が認められたが、これらとBNPとの間には相関が認められなかった。アルドステロンが1000以上の異常高値を示したのは21例であり、これらの症例を検討すると、右室型単心室3例・左心低形成類縁疾患2例・両大血管右室起始症4例・右室有意の房室中隔欠損症・肺動脈弁欠損を含むファロー四徴症3例など、右心室に有意な容量・圧負荷をきたしている患者が16例含まれており、1000以下の群と比較して明らかな偏りが認められた。
【考察】右心室特異的な心不全の指標は現時点では発見されていない。現時点ではpreliminaryな検討であるが、今後右心室負荷とアルドステロン分泌とのメカニズムを含めて検討を進めていく予定である。