一般口演-11
胎児心臓病

[I-O-54] 胎児心臓phase-contrast MRIにおけるmetric optimized gatingの有用性

^○稲毛 章郎^1,2, MIKE SEED^1,3, SHI-JOON YOO³, 吉敷 香菜子², 水野 直和⁴ (1.トロント小児病院　小児循環器科,　2.榊原記念病院　小児循環器科,　3.トロント小児病院　画像診断部,　4.榊原記念　病院放射線科)

Keywords:胎児心臓MRI, metric optimized gating, phase-contrast MR

【背景】 胎児心臓MRIにおいては、子宮内からのゲート信号を感知することが容易ではなく、phase-contrast MRの撮像は困難であった。我々はゲート信号の測定を必要としない撮像法である、metric optimized gating (MOG) の技術を開発した。
【方法】 在胎週数中央値が37週 (30 - 39週) の妊娠後期である人正常胎児12例において、MOGを用いて胎児主要大血管の血流量を測定し血流分布を算定した。
【結果】 計測された平均血流量 (mean +/- SD ml/min/kg) は、それぞれ両心室拍出量 (CVO) が540 +/- 101, 主肺動脈 (MPA) が327 +/- 68, 上行大動脈 (AAo) が198 +/- 38, 上大静脈 (SVC) が147 +/- 46, 動脈管 (DA) が220 +/- 39, 肺血流量 (MPA - DA; PBF) が106 +/- 59, 下行大動脈 (DAo) が273 +/- 85, 臍静脈 (UV) が160 +/- 62, 卵円孔 (FO) が107 +/- 54であり、CVOに対する血流量比 (mean +/- SD %) は、それぞれMPAが60 +/- 4, AAoが37 +/- 4, SVCが28 +/- 7, DAが41 +/- 8, PBFが19 +/- 10, DAoが50 +/- 12, UVが30 +/- 9, FOが21 +/- 12であった。
【結語】 MOGを用いたphase-contrast MRにより、妊娠後期の人正常胎児循環の血流分布の算定が可能であった。