第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター

1-20 その他

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一般心臓病学①

Thu. Jul 16, 2015 4:50 PM - 5:26 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:羽根田 紀幸 (どれみクリニック)

I-P-001~I-P-006

[I-P-003] 胎児心エコー検査で発見された左鎖骨下動脈起始異常を伴う右側大動脈弓、左動脈管による血管輪の2例

長谷山 圭司1, 高室 基樹1, 横澤 正人1, 夷岡 徳彦2, 新井 洋輔2, 橘 剛3 (1.北海道立子ども総合医療・療育センター 小児循環器内科, 2.北海道立子ども総合医療・療育センター 心臓血管外科, 3.北海道大学病院 循環器外科)

Keywords:胎児心エコー, 血管輪, 左鎖骨下動脈

【はじめに】胎児心エコー検査の普及に伴い、心内奇形ばかりではなく、血管輪などの大血管異常も胎児期に診断されるようになってきた。今回、我々はSTIC法による胎児心エコースクリーニング検査で右側大動脈弓が判明し、左鎖骨下動脈起始異常を伴う右側大動脈弓、左動脈管による血管輪の2例を経験したので報告する。【症例1】レベルIIの胎児心エコー検査にて、心内奇形を伴わない左鎖骨下動脈起始異常を伴う右側大動脈弓、左動脈管と診断。出生後、明らかな気管狭窄の症状はなかったが、造影CT検査では左鎖骨下動脈起始部の狭窄を認め、左右上肢で10mmHg程度の血圧差を認めた。【症例2】レベルIIの胎児心エコー検査にて、心室中隔欠損、左鎖骨下動脈起始異常を伴う右側大動脈弓、左動脈管と診断。出生後、次第に心不全症状が進行し利尿剤内服を開始。生後5ヶ月時に心内修復術を施行した。術前検査では左鎖骨下動脈の狭窄はなかったが、術中評価のために経食道心エコープローブを挿入したところ、左手に留置していた動脈圧ラインの圧波形が消失した。【結果】2例とも出生後に呼吸障害や嚥下障害は認めなかったが、心内奇形を伴わなかった1例に左鎖骨下動脈狭窄を認めた。心室中隔欠損を合併した例では、食道内からの物理的な左鎖骨下動脈への圧迫が疑われた。【考察】左鎖骨下動脈起始異常を伴う右側大動脈弓、左動脈管による血管輪においては、呼吸障害・嚥下障害が認めなくとも、左鎖骨下動脈の狭窄・血流障害などに注意を要する。